
現行のMac Proに対するあなたの意見を聞かせてください。

現行のMac Pro (2023)は、拡張性の象徴だったかつてのモデルと比較すると、どうしても物足りない部分が多く、ユーザーの期待を完全には満たしていません。
私もかつて愛用していたAppleのMac Proは、その現行モデルが「中途半端」であるという批判にさらされています。2011年から数々のApple製品を使い続けているファンの私でも、この批判はある意味「妥当」だと思うのです。

プロ向けワークステーションとして絶大な支持を獲得してきたMac Proは、今後どのような設計思想で開発すれば、次世代モデルが「正当進化」と認められるのでしょうか?Appleファンとしては、これを探らずにはいられません。
今回は前編と後編で、Mac Proが辿ってきたデザインと機能の変遷、そして「未来のMac Pro」の進化について、AIと一緒に考えます。AIに本腰を入れ始めたAppleの開発姿勢が、今後のMac Proのあり方を変えるかもしれません。

それでは早速見ていきましょう!
歴代Mac Pro筐体の歴史とデザイン・設計思想の変遷をAIと一緒に考察
Mac Proの歴史 (2006年〜2023年)
初代Mac Pro (2006年〜2012年)
初代Mac Proは、2006年から2012年まで製造されたモデルで、2006年〜2008年(Mac Pro 1.1/2.1)モデルを第1世代、2009年(Mac Pro 4.1)と2010-2012年(Mac Pro 5.1)モデルを第1.5世代と区別することもあります。

アルミニウム製の堅牢なボディと、ワークステーションとしての信頼性を高めるECCメモリの採用、PCIeスロットやHDDベイを活用できる拡張性の高さが製品寿命を大きく伸ばし、長期間ユーザーから多くの支持を集めました。
私は「Mac Pro (Mid2010)」(外部リンク)のモデルを中古で購入し、最近まで仕事用のマシンとして利用していました。CPUとグラフィックボードを交換しましたが、拡張性の高さは「延命」に繋がると実感した次第です。

Apple製品を愛するユーザーが集うコミュニティのフォーラムやツール、例えば「OpenCore Legacy Patcher」による最新macOSの非公式サポートも、このモデルを現役として保っている一因と言えるでしょう。
Mac Pro 5.1は、改造度合いによっては今でも十分使えますが、特定のアップグレードには自己責任かつ非公式な側面もあるため、たとえ興味本位であっても「慎重に取り組む姿勢」が必要なことは忘れてはいけません。

このシリーズは、DIY感覚で「理想のマシン」に仕上げたいユーザーのニーズにマッチしていました。

PCパーツを交換する楽しさこそが、初代モデル最大の魅力だと思います。
Mac Pro (Late 2013)
2013年に発売された「Mac Pro (Late 2013)」(外部リンク)では、筐体のデザインが「ゴミ箱」の愛称で呼ばれる円筒形に一新されました。外装はブラックアルミニウムという「ストイックなイメージ」を打ち出したモデルです。

近未来的なデザインでインパクトを与えたモデルですが、内部PCIeスロットの不在やGPU固定、Thunderbolt 2経由の外部拡張に頼る設計思想は、映像編集や科学計算を求めるプロユーザーの間で物議を醸しました。
ストレージはPCIeベースのSSD(最大1TB)ですが、Appleの独自規格で交換は制限されており、RAIDカードなどのPCIe拡張が不可能だった点も、このモデルが高評価に繋がりにくかった側面を表しています。
私は購入していませんが、このスペックに対抗できるパソコンを自作しようと思い、自作PCへの第一歩を歩み出したので、思い入れのある筐体と言えます。ある意味「自作PC界隈」を沸き立たせたモデルと言えるでしょう。

未来志向のデザインを追求したモデルですが、プロユーザーは実用性や拡張性を強く求めていたため、これらのファン層の期待を裏切った感がありました。

発表当初は奇抜なデザインで盛り上がったものの、徐々に構造的な弱点が指摘された記憶があります。
Mac Pro (2019)
2019年に登場した「Mac Pro (2019)」(外部リンク)は、前モデルの批判を受け、タワー型デザインに回帰。「チーズおろし」と呼ばれるアルミニウム筐体は好評を博し、初代Mac Proの伝統を思わせるデザインが受け入れられました。

円筒形からタワー型に戻った筐体には8つのPCIeスロットが搭載され、GPUやストレージのモジュール式拡張が可能となっています。こうした設計思想は、拡張性を求めるプロユーザーにとって「自然な進化」と言えるでしょう。
ただし、最低構成でも約60万円、フルスペック(28コアXeon、2.5TBメモリなど)では約574万円になるという価格設定は、一般ユーザーにとってかなり手が届きにくいものになったことは否めません。
Proという名前に恥じない高性能を追求する一方、個人クリエイターには高すぎるとの賛否両論を呼んでおり、Mac Proをプロフェッショナル向けブランドとして確立するAppleの戦略が鮮明になりました。

Appleが拡張性重視のニーズを再び理解したことが示されたモデルですが、高価格の路線が一般的な普及を妨げた部分もあります。

確かに一般ユーザーには気軽に手が出ない価格帯になってしまいましたね。
Mac Pro (2023)
2023年に登場した「Mac Pro (2023)」(外部リンク)は、前モデルの筐体デザインを継承しつつ、Appleシリコン「M2 Ultra」を搭載。内部はPCIe Gen 4スロット(6個)や、M2 Ultraに最適化された設計に刷新されました。

Appleシリコン「M2 Ultra」の統合型アーキテクチャは、電力効率やProRes処理で優れた性能を発揮し、2019年モデルから進化したPCIe Gen 4スロットは、高速ストレージやI/Oにおいて高い性能を発揮します。
ただし、Appleシリコンの特性上、メモリやGPUの交換・拡張はできず、購入時の構成に依存します。ストレージはPCIeスロットで拡張することが可能ですが、2019年モデルのようなGPU拡張はサポートされません。
2023年モデルが「中途半端」だと批判されるのは、筐体の大きさから連想される拡張性を、Appleが自らの手によって放棄してしまった点にあるのではないかと、私は強く感じます。つまりアンバランスなのです。

現行のMac Proは、「最適化された性能」に重点を置いているものの、ユーザーの自由なカスタマイズという要望からは再び離れてしまった印象です。

筐体の大きさや内部構造のバランスが薄れてしまったモデルですね。
前編まとめ

Appleシリコン移行によってCPUとGPUが統合されたため、グラフィックカード交換やアップグレードの自由度が完全に失われた点は痛手です。
初代モデルで「内部拡張性の高さ」がユーザーから絶賛されたMac Proは、モデルチェンジ後に内部拡張の欠如で批判され、その後「原点回帰」で称賛を浴びたものの、現行モデルで筐体サイズに見合わない拡張性問題に直面しています。

Appleシリコン自体は素晴らしい技術の結晶と言えますが、その置き換えがもたらしたカスタマイズ性の乏しさは、Mac Proの伝統とも言える「内部拡張性の高さ」を愛するユーザーから大いに疑問視されている部分です。
現在Appleシリコンを実装するハイエンドPCの最適解として「Mac Studio」が存在するため、現行のMac Proは「ニッチなPCIe拡張ニーズ」を除いて、筐体サイズの合理性と釣り合いが非常に曖昧になりつつあります。
存在意義が薄れつつあるMac Pro。Appleのパソコンで最上位に位置するこのシリーズが再び輝く未来はやって来るのでしょうか?記事の後編では、「AI機能」でMac Proが復権していく可能性を探っていきます。

最後までお読み頂き、ありがとうございました!
コメント