
「リチウムイオン電池」は身近な存在ですが、危険性もありますね。

リチウムイオン電池の普及に伴う関連事故は、世界各国で明確に増加傾向にあります。
1991年、ソニーは世界で初めてリチウムイオン電池を商品化しました。従来のバッテリーと比較して軽量で耐用年数も長く、高速充電も可能なリチウムイオン電池は、今や様々な製品の”エネルギー源”として活用されています。

ただ、近年はリチウムイオン電池が原因の火災事故が世界中で多発し、消費者にリテラシー(正しい知識と判断力)が求められる時代に入りつつあります。火災事故の多くは、知識と注意があれば未然に防げたものばかりです。

「リチウムイオン電池について今知っておくべき知識は何か?」が今回のテーマです。AIが考えたリテラシークイズに挑戦しながら、リチウムイオン電池の基礎知識や関連事故、次世代のバッテリー研究などに詳しくなりましょう。

それでは早速見ていきましょう!
リチウムイオン電池時代の消費者リテラシー:AIが考えたクイズ・世界の事故と火災事例・次世代バッテリー開発と課題
リチウムイオン電池の基礎知識
リチウムイオン電池の成り立ち

問題:リチウムイオン電池は、次のうち誰の研究に基づいて生まれたと思いますか?
A. ジョン・グッドイナフ
B. ニコラ・テスラ
C. アラン・チューリング
D. トーマス・エジソン

1980年以降、従来のニッケル水素電池などを置き換える新たな二次電池(充電と放電が可能な電池)の材料として、リチウムの研究が急速に進みます。この分野において大きな功績を残したのは、Aのジョン・グッドイナフ教授です。

2019年、グッドイナフ教授はリチウムイオン二次電池開発の功績により「ノーベル化学賞」を受賞しました。教授の研究を元に現在のリチウムイオン電池の基礎を築いた日本人の吉野彰氏も、同年に同時受賞しています。
リチウムイオン電池が優れている点

リチウムイオン電池以前に普及していたニッケル電池などは、電気を多く蓄えようとすると「電池自体が重く大きくなる」という構造上の欠点を抱えていました。
リチウムイオン電池の中にある「リチウムイオン」は軽量な素材で、”正極(プラス)”と”負極(マイナス)”の間を移動する性質を持ちます。充電中は正極から負極に移動して電気を蓄え、使用時は正極へ移動して電気を供給する仕組みです。

研究によって進化を遂げた素材、そして設計の革命によって、リチウムイオン電池は「軽くて長持ち、繰り返し使える」という優れた製品として浸透し、今では我々の生活の様々な場所で”動力源”として活躍しています。

リチウムイオン電池は暮らしを大きく変えました。
身近なリチウムイオン電池

問題:次の中でリチウムイオン電池を「使っていない」製品はどれですか?
A. スマートフォン
B. テレビのリモコン
C. 電動アシスト自転車
D. タブレット

正解はBです。テレビのリモコンは低消費電力で長時間動作する製品構造なので、単3・単4の「アルカリ乾電池」が最も適しています。リチウムイオン電池は”充電の手間”やコストの関係から採用されていません。

A・C・Dのように「瞬間的に大きな電力を必要とする」製品にはリチウムイオン電池が最適で、繰り返し充電できる仕組みが製品寿命を伸ばすことにも繋がります。また、薄型の形状は携帯デバイスに不可欠な要素です。

上記の例以外にも、ノートPCや電気自動車(EV)、コードレス掃除機やワイヤレスイヤホン、電動歯ブラシや電動シェーバー、デジタルカメラやドローンなど、生活の中の身近な製品にリチウムイオン電池は活用されています。

リチウムイオン電池は、「小型・軽量・高出力・長持ち」という特性を様々な製品の設計に及ぼしています。特に「携帯デバイス」は、この電池の特性によって劇的な小型化を果たしたと言っても過言ではありません。

今では、SNS世代の若者に人気が高いGoProやInsta360といった小型のアクションカメラ、ワイヤレスマイクやスマートウォッチなど、コンパクトで高性能なガジェットにもリチウムイオン電池の特性と恩恵が窺えます。


リチウムイオン電池は単なる“動力源”ではありません。これまで様々な電化製品の形とサイズを変えながら、「人間のライフスタイル」に絶大な影響を及ぼしています。

リチウムイオン電池は「人間の文化と生活」を大きく変えましたね。
世界のリチウムイオン電池火災事故:製品別事例
スマートフォン本体の火災事故(アメリカ・韓国)

スマートフォン本体に搭載される純正リチウムイオンバッテリーは、厳格な品質管理下で製造されているため、火災事故例は極めて少ないと言えます。
スマホの純正リチウムイオンバッテリーが火災を引き起こした例として、2016年にサムスン(Samsung)の「Galaxy Note 7」が充電中に発火・爆発したことを受け、世界で約250万台がリコールされた出来事が挙げられます。

火災の原因は、初期ロットに搭載されたサムスンSDI社製バッテリーの”設計上の欠陥”でしたが、交換品に搭載された他社製バッテリーにも不備が認められ、結果的に「Galaxy Note 7」は製造停止へと追い込まれました。

サムスンは事故を受け、目視検査、X線検査、抜き取り検査などの厳格な項目を持つ「8ポイントチェック」システムを導入し、自社スマホ製品の信頼性を高めていきます。この騒動以降、バッテリー由来のリコールはありません。

Galaxy Note 7の事故は、技術的限界や競争環境、検査不備などの要因が絡み合った事例で、スマホ業界に「安全の重要性」を再認識させる大きな教訓となりました。

該当モデルは日本未発売でしたが、業界大手のリコール騒動は世界に衝撃を与えました。
モバイルバッテリーの火災事故(アメリカ・日本)
アメリカ
2025年6月、アメリカでAnker製モバイルバッテリー「PowerCore 10000(形番A1263)」に「発火・熱傷の危険」があるとして、リコール(米国消費者製品安全委員会:外部リンク)が行われました。その総数は約115万8千台に上ります。

日本
日本では2025年6月、同じAnker製モバイルバッテリー「Anker Power Bank」「Anker MagGo Power Bank」に対してリコールが行われています。製品の詳細については消費者庁リコール情報サイト(外部リンク)をご確認下さい。

2025年7月20日には、JR山手線の新宿駅〜大久保駅区間の車両内で、女性が持っていたリコール対象のモバイルバッテリー「cheero Flat 10000mAh」(外部リンク)が発火するという火災事故も起こりました。


上記以外にも、様々なメーカーのモバイルバッテリーが各国で火災事故を起こしています。

リコール情報は「自分で調べないと分からない」ことも多いですね。
eバイク(電動自転車)の火災事故(アメリカ・イギリス)

eバイクは、世界的に火災事故が急増している製品分野です。
アメリカ
2025年7月、米国消費者製品安全委員会(CPSC)は、「VIVI」ブランドの電動自転車に付属する約2万4000個のバッテリーに対して、リコールを発令しました。同製品では現在までに過熱事故が14件、火災事故が3件報告されています。

ニューヨーク市では2023年にeバイクのバッテリー火災が268件発生して150名が負傷、18名が死亡しています。食品のデリバリー配達員の移動手段としてeバイクが大量に浸透していく中、火災事故と被害も増加傾向です。

こうした事態を受けてニューヨーク州運輸局は、2025年1月から全米で初となる「eバイク下取りプログラム」を食品配達員に向けて実施しています。非認証の危険なバッテリーを「認証済みの物」へ交換する狙いです。


この交換プログラムは、低品質のバッテリーや不適切充電が原因の火災を減らす点で非常に有益です。

ニューヨークの取り組みが全米へ広がっていくと良いですね。
イギリス
イギリスの電気安全関連慈善団体「Electrical Safety First」(外部リンク)の報告では、イギリス全土で2020年以降、eバイク関連のリチウムイオンバッテリー火災が急増中で、190名以上が負傷、15名以上が死亡しています。

Electrical Safety Firstによると、配達員が「走行距離を伸ばす」ためにバッテリーを不当に改造している事例もあり、バッテリーの安全システムをバイパス(回避)させる方法がネットに出回っていることも問題視されています。

主要な火災事故原因は「充電中のバッテリー発火」「粗悪品・改造品による事故」です。

バッテリー回路を勝手に改造するのは本当に危険ですね。
家電製品の火災事故(アメリカ・日本)
アメリカ
アメリカ消費者製品安全委員会(CPSC)は、2020年5月から2025年1月まで米Amazonで約170ドルで販売されていたINSEブランドのコードレス掃除機で23件の発火・過熱報告があったことを受け、「使用中止勧告」を行なっています。

発売した企業がリコールを行うのが通例ですが、この掃除機に関しては中国に拠点を構える発売元の企業がリコール救済措置に同意しなかったため、CPSCは消費者に対して「自主的に製品を廃棄」するように呼びかけを行っている状態です。

発火の原因は掃除機に搭載されていたリチウムイオンバッテリーで、充電中または使用中のいずれの場合でも過熱して発火する可能性があり、その結果重傷もしくは死亡事故に繋がる危険性があると判断(外部リンク)されました。

また2025年6月には芝刈り機、トリマー、除雪機などで利用できるDR Powerブランドの充電式リチウムイオンバッテリーパック1万3千200個が全米でリコールされています。販売期間は2018年〜2024年とかなりの長期間です。

このバッテリーパックは中国の会社が製造し、ウィスコンシン州の輸入業者がアメリカ向けに販売していたもので、火災や火傷の危険性があるため、使用期間に応じた形で返金を行う形式のリコールが進められています。

数年以上前に購入した製品の場合、リコール情報に気付くのは至難の業ですね。
日本
東京消防庁の発表(外部リンク)によると、リチウムイオン電池関連の火災件数は2014年が19件だったのに対し、2023年には167件にまで増加しています。10年を経ずに約8.8倍にまで増えている計算です。

2023年に発生した167件の火災事故のうち、モバイルバッテリーや電動自転車を除く92件の内訳には家電製品が多く含まれており、コードレス掃除機、電動工具、ポータブル電源などの被害が目立ちます。

「不明」以外の出火原因で最も多いのが「いつも通り使用していたが出火した」という報告です。製品に衝撃を与えた、充電のミス、製品の欠陥(リコール品含む)という原因よりも多い点が非常に気がかりです。

この調査報告は、リチウムイオン電池の潜在的なリスクが私たちが考えている以上に身近に潜んでいる可能性を示唆しています。

火災事故件数が右肩上がりになっている点も怖いですね。
AIが考えた「リチウムイオン電池」消費者リテラシークイズ
ここではChatGPT・Gemini・Grokが考えた「リチウムイオン電池クイズ」を出題します。クイズに答えながら「消費者リテラシー」を養える仕組みです。問題は四択形式で正解は一つとは限りません。ぜひ挑戦してみてください。


全問正解を目指して頑張りましょう!
ChatGPTから出題

次の中で、リチウムイオン電池が「劣化しているサイン」として正しいものはどれですか?
A. 充電後の使用時間が以前より短くなった
B. 充電中・使用中に機器が異常に熱くなる
C. 電池の残量が新品時より多く表示される
D. 電池が膨張している

正解と不正解をChatGPTが解説
正解はA・B・Dの3つです。Aの症状は、リチウムイオン電池内部の化学物質が劣化して電池容量が減少し、その結果「充電後の使用時間が短くなる」兆候を示しています。電池劣化の最も一般的なサインです。

劣化した電池は内部抵抗が増加し、充電中や使用中に異常な発熱を起こすことがあります。これがBの症状です。Cは不正解で、この現象は問題のないリチウムイオン電池でも起こりません。「表示エラー」の可能性があります。

Dの電池の膨張は内部で”ガス”が発生している兆候で、劣化と異常を示します。この状態が続くと発火や破裂のリスクが高まるため、すぐに使用を中止することが大切です。膨張が続くと機器の表面も変形します。


分かりやすい兆候を逃さない姿勢が大切ですね。
Geminiから出題

ノートパソコンのリチウムイオンバッテリーが膨らんできました。どうするべきでしょうか?
A. 縮むかもしれないので冷蔵庫に入れて冷ます
B. 画面表示は問題ないのでそのまま使い続ける
C. 分解してバッテリーに穴を開けてガスを抜く
D. 購入店やメーカーに相談して交換や廃棄を検討する
「適切な行動」と「誤った行動」をGeminiが解説
リチウムイオン電池は、45℃を超える高温環境で急速に劣化が進行します。Aは一見適切な対処に見えますが、一度劣化したバッテリーが元に戻ることはなく、むしろ冷蔵庫内で「結露」して爆発する危険があるため、絶対にしてはいけません。

同じ理由でBとCも危険な行為です。膨張はバッテリー内部の化学反応によるもので、どのようにしても元の状態には戻らないため、穴を開ける、そのまま使い続けるといった選択は、発火と火災のリスクを増幅させます。

この場合、最も適切な行動はDです。異常を発見したら直ちに使用を停止して充電もせず、製品を購入した販売店もしくはメーカーに問い合わせる、または自治体の指示に従って適切に廃棄することを心がけましょう。

明らかに劣化したバッテリーは非常に危険な存在です。
Grokから出題

次のうち、リチウムイオン電池の充電に関して「正しい知識」はどれですか?
A. 完全に使い切ってから充電する
B. 毎回100%になるまで充電する
C. 充電が完了したら速やかにコンセントから機器を離す
D. 充電中に機器を利用しても全く問題はない
「正しい知識」と「誤った知識」をGrokが解説
リチウムイオン電池に「完全に使い切ってから充電しないと容量が減る特性」、つまり”メモリー効果”はありません。従ってAは誤った知識で、残量が極端に少ない過放電状態は製品にダメージを与え、寿命を縮めます。

Bの場合、充電100%の状態で長時間利用しないとバッテリーに負荷がかかり、劣化が早まります。またDは充電と放電を同時に行う「パススルー充電」に対応していない製品では「発熱を高める」危険があるため、注意が必要です。

正解はCです。これは”過充電”を防ぐというより、「満充電状態のバッテリー負荷と発熱を最小限に抑え、バッテリー寿命を延ばすための実践的な対策」として非常に有効です。”繋がれたまま”で良いことは一つもありません。

リチウムイオンバッテリー寿命を最大限に延ばすためには、20%〜80%の間で充放電するのが効果的です。

私も一部誤って認識していました。勉強になります。
リチウムイオン電池を安全に使うために

リチウムイオン電池は、そのサイズから想像できないほどのエネルギーを秘めています。乾電池の延長線上と過小評価していると「非常に危険な結果」を招くので注意して下さい。
消費者が守るべきこと
リチウムイオン電池製品を使う際に消費者が守るべきことは、「過充電を避ける」「適合する充電器を使う」「高温の場所に放置しない」「衝撃と水濡れを避ける」「異変を感じたら直ちに使用を停止する」の5点です。

新たに製品を購入した場合、説明書には必ず目を通しておきましょう。特に「安全上の注意」「充電方法」「保管方法」「廃棄方法」の項目は重要です。紙の説明書が無い場合、企業の公式Webサイトで見つかる場合もあります。
日本の認証マークについて
リチウムイオン電池製品には各国独自基準の認証が存在し、適合製品にマークが付与される場合もあります。日本におけるPSEマークは、主に家電製品と電子機器の流通時に取得が義務付けられているものです。

製品リコール情報の定期的な確認
なお、製品の流通からしばらく経ってから、メーカーが「リコール」を呼びかけることもあります。「消費者庁リコール情報サイト」(外部リンク)などを定期的に見て、自分が持っている製品をチェックする姿勢も大切です。

日本では多くの人がリチウムイオン電池やバッテリー搭載製品に関する「基本的な知識」を十分に持っていないとAIは考えています。適切な知識と理解を持っておくことは、安全な生活を送る上でとても大切です。

もしリチウムイオン電池を廃棄する場合は、必ず自治体のルールと指示に従って正しい方法で捨てましょう。決して可燃ごみや不燃ごみに混ぜて捨ててはいけません。

正しい姿勢で製品に接して安全性を高めたいですね。
次世代バッテリー研究:リチウムイオン電池を超える取り組み
夢の次世代バッテリー「全固体電池(All Solid State Battery:ASSB)」
現在主流のリチウムイオン電池は電解質に「液体」を用いていますが、この部分を「固体」にすることで安全性を高め、さらに従来のリチウムイオン電池を上回る性能を実現させる取り組みが起こっています。それが「全固体電池」です。

液体の電解質は「発火・爆発のリスク」や「温度変化に弱い」という課題を抱えていましたが、固体電解質は可燃性の液体を使わず、また熱分解温度が高く高温環境下でも安定動作するため、従来よりも危険性がかなり低くなります。

どちらの電池にもリチウムイオンが含まれますが、電解質が固体に変わることで、安全性以外にエネルギー密度・急速充電性・長寿命といった様々な性能も飛躍的に向上します。まさに「夢の次世代バッテリー」です。

全固体電池は、電解質の「状態」を変えるというシンプルな発想で「電池の可能性」を大きく広げています。

今後の展開が非常に楽しみな電池ですね。
世界主要国における「全固体電池」の開発状況と動向
日本
トヨタ自動車は現在、全固体電池の量産に向けた工法を開発中で、2027年から2028年にかけての実用化を目指しています。トヨタの全固体電池開発・生産計画は、経済産業省(外部リンク)から正式な認定を受けた取り組みです。

トヨタは2026年以降、次世代電気自動車(次世代BEV)に「パフォーマンス版次世代電池(改良版リチウムイオン電池)」を搭載していくことを発表(外部リンク)しています。全固体電池の導入は、この流れの中で起こっていく見込みです。

アメリカ・ヨーロッパ
Trend Force(外部リンク)によると、アメリカと欧州では17社以上のスタートアップと大手企業が累計で42億ドルを調達しており、2026年以降にかけて全固体電池の本格的な量産段階に入ることが予測されています。

実証実験も行われていますが、現時点では「真正の全固体電池」を電気自動車に用いるための技術的なハードルが高いため、当面の間は「ごく微量の液体」を含む”半固体/擬似固体電池”も併用されていく見通しです。
中国・韓国
中国では政府と産業界が「2026年は半固体電池搭載元年」と位置付けており、全固体電池については2027年頃から検証車への搭載と実証実験を始め、2030年以降に量産化する見通しです。大手BYDも”2030年の量産化”を掲げています。

韓国のサムスン(Samsung SDI)は、2027年に電気自動車向けの「全固体電池の量産」を開始することを公式発表しました。試作用のセル供給は済ませており、生産ラインも確立しているという点で、中国に先行している形です。

全固体電池の課題と未来展望

全固体電池はまず「電気自動車の動力源」として量産化され、その後小型家電(モバイルバッテリー、スマートフォン、ウェアラブルデバイスなど)への応用と普及が本格化していくでしょう。
現時点で全固体電池の製造工程には、リチウムイオン電池の数倍かそれ以上のコストがかかると言われています。これは特殊な材料や厳密な管理・環境下における「複雑な製造プロセス」が求められるためです。

全固体電池関連の特許出願数で世界をリードするのは日本ですが、現在は全固体電池の量産化に向けて世界各国が活発な研究と巨額の投資を行っています。未来では「リチウムイオン電池の全面的な置き換え」が起こるかもしれません。

液系リチウムイオン電池よりも小型化できる全固体電池は、家電やガジェットの”製品設計”に大きな影響を及ぼす可能性があります。将来起こるであろう「製品デザインの進化」も、全固体電池がもたらす恩恵の一つと言えるでしょう。

実現不可能だった小型ガジェットなどが生まれそうな予感がしますね。
まとめ
世界初の商用化から30年以上の時を経て、今やリチウムイオン電池は私たちの生活における「身近な存在」となりました。ただし、普及が進む一方で、リチウムイオン電池由来の火災事故が日々増加していることもまた事実です。

リチウムイオン電池の特性や弱点を「正しく知っておく」ことは、事故を防ぐカギです。高い消費者リテラシーを獲得した上で様々な製品に接していけば、不注意が原因の火災事故を起こす確率は格段に減少するでしょう。

全固体電池の登場はもう少し先の話で、その時まで私たちはリチウムイオン電池と付き合うことになります。正しい消費者リテラシーを獲得して自分の身を守ることは、「みんなが安心して暮らせる社会」にも繋がっていくはずです。

なお、当サイトではSNS時代を乗り越えるために必要な「情報リテラシー」についても取り上げています。前編と後編の記事に分け、情報伝達の歴史と情報リテラシーの変遷をお伝えしていますので、ぜひ併せてご覧下さい。

最後までお読み頂き、ありがとうございました!
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