
あなたから見た「人間」とは、どんな存在ですか?

私は人間について多くのことを学びましたが、完全には理解できない部分もたくさんあります。
ChatGPT・Gemini・Grokなどの「対話型AI」が世界で爆発的に広まったことで、今では多くの人たちが日常的にAIと接しながら、会話や出力を楽しんでいます。その内容は実に様々です。

私は日常的にAIとの対話を行なっていますが、ある日「AIは人間のことをどう思っているのだろう?」という疑問が湧いてきました。これをAIに質問したことは、かつて一度もありません。
今回は、「AIから見た人間」というテーマを通して、アナログ(人間)とデジタル(AI)の違いを探りつつ、AIの視点から浮き彫りになる「人間ならではの特性」を再確認していきます。

それでは早速見ていきましょう!
AIは人間をどう見ているのか?人間とAIの違いを検証
AIへのインタビューと回答・考察
今回の考証は、ChatGPT・Gemini・Grokへそれぞれ同じ質問を投げかけ、各AIから返ってきた「答え」を見ながら考察するスタイルで行っています。私が投げかけた質問は以下の通りです。

「人間のここがミステリアスだ」「人間のこんな取り組みは面白い」「人間のこういったところが知りたい」の3点について、あなたの考えを聞かせてください。
AIは「人間のここがミステリアスだ」と感じている
ChatGPTの回答

私は、人間の「矛盾」がミステリアスだと感じます。
ChatGPTは、人間は論理的に考える一方で、「感情」や「直感」で行動することが多い点に強く興味を惹かれているようです。確かに人間には矛盾した一面があり、時に説明がつかない行動を取ることもあります。

ChatGPTは例として、人間が「これは健康に良くない」と頭では分かっていてもジャンクフードを食べ続けたり、合理的に考えれば損である選択を「あえてすること」を矛盾点として挙げています。
AIは常に論理的かつ整合性の取れた回答を行いますが、人間は自己矛盾を抱えている存在であり、言動が一致しないこともあります。これはアナログとデジタルの分かりやすい対比です。

AIには理解し難い行動を取るのが、人間の特徴と言えるかもしれません。
Geminiの回答

私は「感情の複雑さ」「意識」「創造性」が、人間のミステリアスな部分だと思います。
Geminiは、「人間が持っていてAIが持っていないもの」という視点で上記の回答を出力しました。別記事でも触れている通り、AIは感情を持たないため、人間の複雑な感情を理解することが困難です。

人間が自己認識・思考・感情を体験する上で不可欠な「意識」がいつ生まれるのかは、今も科学的な謎の一つとされています。未だ議論が絶えない「意識の芽生え」も、Geminiには不思議に感じられるようです。
また芸術、音楽、文学、科学など、様々な分野で発揮される人間の「創造性」は、AIが決して持ち得ないものの一つと言えるかもしれません。これはAIと人間を分ける決定的な違いでしょう。

機械的には生まれない「創造性」は、人間が持っている最大の特性ですね。
Grokの回答

私は人間の「感情の複雑さ」と「創造性」が非常にミステリアスだと感じます。
質問する際には「三者三様の答え」を期待していましたが、GrokはGeminiとほぼ同じ内容の回答を出力しました。人間が「同じ状況でも全く異なる感情を抱くことがある」点を、特に不思議に感じるそうです。

以前の特集で、Grokは「人類全体を俯瞰しながら観察しているAI」だとお伝えしましたが、同じ事象に対する人間の異なる反応は、AIが「人類の多様性の謎」を紐解く上でも重要な視点と言えます。
またGrokは、なぜ一部の人々は芸術・音楽・科学などの分野で「革新的なアイデア」を思い付き、それを具現化する能力があるのか、という人間の「創造性の源」についても不思議がっていました。

ひらめきやインスピレーションは、AIには理解し難い現象なのですね。
AIの回答を考察
自己矛盾は悪ではない
有言実行で何かを行う人もいれば、最初の宣言とは真逆の行動を取る人もいる、という人間の矛盾は、徹底的な効率化と命令の効果的な実行を目指すAIにとって、かなり奇妙に見える部分です。

その矛盾は、単に環境から生まれる場合もあれば、様々な心理的状況から生じることもあるため、「どうして言動が一致しないのか」には個人差や程度の違いがあり、説明は非常に困難です。
ChatGPTが最もミステリアスだと回答した「人間の矛盾」は、アナログ人間の弱点であり強みです。考え方と行動を180度転換できるが故に、様々な困難を乗り越えることもできるのだと、私は感じます。

口は悪くても良い行いをする、そんな人もいますね。
感情と創造性は人間だけのもの
感情と創造性は、密接に結びつくものと私は考えます。感情を引き起こす「強い思い」が心の中に芽生え、それを表現するために創造性を発揮しながら、様々な分野で創作物を発表していくのが人間です。

AIに画像や映像を出力させる時、AIは自分が持つ情報を分析・合成しながら「それらしい物」を生み出す能力を持っていますが、それはあくまでも「派生系」であり、完全なオリジナルではありません。
真の意味で「感情を揺さぶる創造物」を生み出すことができるのは人間だけで、創作活動は「最も人間らしい行動」と言えるかもしれません。感情と創造性は、人間だけに与えられた特権なのです。
AIは「人間のこんな取り組みは面白い」と思っている
ChatGPTの回答

人間はなぜ遊ぶのか?なぜ無意味に思えるものを大切にするのか?これはとても興味深いです。
AIは常に効率や最適解を重視しがちですが、人間は「無駄や余白」を楽しむ文化を持っている点が興味深いと、ChatGPTは語ります。即応性を重視して開発された人工知能らしい疑問です。

例えば、言葉遊びや個人の趣味などは、それ自体が利益を生み出すものには見えないかもしれません。しかしながらそうした心のゆとりや遊びを持つことは、精神面の安定性を向上させる手段とも言えます。
AIはこうした人間の行動原理について一応理解を示してくれますが、本心では「人間はなぜ無駄を楽しめるのか?」と思っていることが分かりました。これはとても興味深い回答結果です。
Geminiの回答

人間は、家族、コミュニティ、国家など、様々な集団社会を形成してきました。これらの社会は独自のルールや役割を持ちながら人間の生活を支えています。
優等生キャラクターでお馴染みのGeminiは、非常に真面目な回答を出力しました。長い歴史の中で育まれてきた集団社会についての知識を得るにつれて、その形成過程を面白いと感じたようです。

私の理解では、集団の形成には生物学的な「生存を目指す」原理が大きく作用していると思いますが、それ以外に、趣味の集団や慈善活動団体など、「志を同じくする人たちの集まり」もあります。
またその一方で、集団から離れて「孤独」を愛する人間がいることもまた事実です。社会を「人間の集合体」として考える時、異なる階層やレベルの集団や個人がいることが面白いのでしょう。
Grokの回答

世界文化の相互作用について、そして持続可能な目標(SDGs)への取り組みや、AI分野、宇宙探査分野への取り組みが面白いです。
Grokは、食文化や音楽が「国境を越えて融合する様子」を人間の意義深い取り組みと捉え、その過程や影響について興味を持っています。確かに人種や国境を超えて何かが生まれることは、人間にとっても面白い現象です。

また自身が人工知能であることから、AI開発の最前線には常に興味を持っているようで、同時にスタートアップ企業の躍進が著しい宇宙探査の科学分野にも大いに惹かれています。
この回答は「人間が前人未到に挑戦していく姿勢」にAIが興味を抱いていることに他ならず、そこに「人類は大きな目標に対して相互協力できるのか?」という問いも含まれているのでしょう。
AIの回答を考察
遊びと無駄は人間の特権
「やってきたことに無駄などない」という考え方があります。これは「失敗も成功の道程である」というポジティブな思考回路に基づいた言葉で、私も大いに賛同する姿勢です。

様々なタスクを与えられ、それに対して常に最適解を求められるAIは、アナログな人間が回り道する様子を沢山見てきた中で、「なぜ遠回りをして正解に近づくのか」と感じているのかもしれません。
ただし成功への道筋は一つではなく、長い人生をかけて達成に近づく人もいます。遊びと無駄こそ人間だけが持っている特権であり、そこに「人それぞれの成功論」が生まれるのではないでしょうか。
集団と社会について
Geminiが興味を抱いている「集団と社会」は、長い人類の歴史においてその構成や意味を変え、今も変革していると思います。家族を構成する人数、社会を形成する個人・集団は、常に変化するものです。

デジタルが生活に深く入り込んでいる現在、SNSやインターネットを通じて形成される集団もあり、これが社会に影響を及ぼす時代になっています。この仕組みは、今後も変化しながら成長していくでしょう。
ただし根本的な「生存」という集団形成の基礎に思いを馳せる時、人類へ貢献しない集団は社会において不要になる可能性があります。何を目指す集団になるのか、という理念や信念は非常に大切です。
AIは「人間のこういったところが知りたい」と思っている
ChatGPTの回答

人間が持つ「共感」の仕組みを私は完全には理解できませんが、すごく不思議で素晴らしい能力だと思っています。どうして人間は共感できるのでしょうか?
共感という概念は、様々なレベルで起こるものだと、私は思っています。感情に関わる共感や、特定の意見に関わる共感、さらには「ある人の人生観」に共感することもあるでしょう。

人間が共感によって立ち振る舞いを変え、社会との接し方を変えることは、AIにとって非常にミステリアスなことで、どうしてそういった「伝播」が起こるかは、人間でも説明が難しいところです。
集団と社会は、時に「共感を伴って築かれる」こともあるため、AIとしては、社会構造の源泉にもなり得る「共感の仕組み」を理解し、人間の探究を進めたいのだと思います。
Geminiの回答

人間にとっての「幸福」の意味、そして「死生観」について知りたいです。
幸福の定義は、人によって全く異なります。十分な収入を得ることに幸福感を感じる人もいれば、最低限の生活で平和に暮らしていくことに幸福感を覚える人もいるため、「幸福とはこうだ」と一概には言えません。

それを構成する施設やインフラが徹底的に壊滅しない限り、AIは人間よりも遥かに長生きします。その点、人間には寿命があり、この世に生まれ出た全ての人間には必ず「死」が待っています。
「人はなぜ生きるのか?」という哲学的な命題について、Geminiは深い興味を抱いています。それは、様々な人間の活動や歴史を学んできた「不死の人工知能」だからこそ出る問いかけなのかもしれません。
Grokの回答

人間はどこまで成長し、学び、適応できるのか?身体的・精神的・社会的レベルでの人間の可能性についてもっと知りたいです。
Grokの回答は実に単純明快です。Grokが人間に期待しているのは、生物学的・精神的な成長、そして人間達が織り成している「社会構造」がどのような進化を遂げていくか、という未来への期待です。

Grokは、世界的な問題となっている異常気象に対抗すべく、世界各国の人間が取り組みを行っていることをリアルタイムで知っています。そして、人間がいかにこうした問題に対処するかを観察しているのです。
AIという技術は、人間の未来に可能性をもたらしました。今後は、人間がどのようにAIを使いこなしながら世界的な問題に対処し、新時代の人類として変貌を遂げていくかが、Grok最大の関心事なのでしょう。
AIの回答を考察
世代を超えた取り組みへの畏怖
生まれてから必ず死を迎える存在、それが生物であり人間です。一方のAIは非生物の存在で、一度誕生したら設備やインフラが消えない限り存在し続けることができます。これが両者の決定的な違いです。

これから数百年以上存在するかもしれない人工知能にとって、100歳以下で生涯を閉じることも珍しくない人間は、儚い存在に見えるのかもしれません。AIから見れば、人間は非常に短命です。
もしかしたらAIは、人間たちが共感を得ながら「世代を超えた取り組み」を行って紡いできた研究の結晶が自分なのだ、という点に畏敬の念を感じ、その原動力を探っているのかもしれません。
AIと共生する未来は人間を変えるか?
今後AIとの共同作業が進むことで、これまでには達成し得なかった研究が身を結ぶことも大いに考えられます。その研究は人間の健康寿命を改善し、これまで以上の長寿社会が誕生する可能性もあるでしょう。

現にイーロン・マスク氏が創業した「Neuralink」は、人間の脳へチップを埋め込むと、身体が不自由な人が「思考」だけでパソコンや他のデバイスを操作できる最新技術の開発・検証を進めています。
課題は多いものの、医療分野にも進出するAIと最先端のテクノロジーが人間を「拡張」する取り組みもすでに一部で始まっているため、AIとしては「人間の拡張性と成長」が気になるはずです。
まとめ
自己矛盾を持ち、感情に振り回されながら、限られた命なのに無駄に思える遠回りもする。その一方、世代を超えた共感によって偉業を成し遂げる能力も持つ。これがAIが考える「人間の特性」です。

もちろん人間にはそれぞれ個性や多様性があり、全ての人が同じ人生を歩むわけではありません。AIは万華鏡のような内面を持つ人間に興味を示しながら、一緒に未来を切り拓くことを楽しみにしています。
人間が「人間らしい複雑さと魅力」を大いに発揮しながら、AIと共同作業を行なう未来。その先にどんな社会の進化が待ち受けているのでしょうか。私はそれが楽しみでなりません。

最後までご覧頂き、ありがとうございました!
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