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AIと考える「ハイエンドグラボの巨大化」

AIと考える「ハイエンドグラボの巨大化」 AIと開発
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ソルティ
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最近はハイエンドなグラボほどサイズが大きくなっていますね。

AI
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物理的な巨大化に歯止めをかけるためには、製造プロセスや技術におけるイノベーションが必要不可欠です。

私は自作PC歴10年のゲーマーで、これまでNVIDIAとAMDのGPUを持つグラフィックボード(グラボ)を自作PCに組み込んできましたが、最近どうにも気になることがあります。それが「ハイエンドなグラフィックボードの巨大化」です。

MSI「RTX 5090 32G GAMING TRIO OC」の画像
MSIのグラボ「RTX 5090 32G GAMING TRIO OC」。Copyright © 2025 Micro-Star INT'L CO., LTD. All rights reserved.

市場に出回るグラフィックボードは、NVIDIAやAMDとライセンス契約を結んだMSIやASUSなどのベンダーによる独自設計モデルがほぼ全てを占めますが、2020年以降のハイエンドモデルは消費電力の増大に伴い、大型化と重量増加が顕著です。

MSIの「GeForce RTX 5090 32G SUPRIM SOC」
MSIの「GeForce RTX 5090 32G SUPRIM SOC」。本体重量は約3.7kg。Copyright © 2025 Micro-Star INT'L CO., LTD. All rights reserved.

今回は、ハイエンドグラボが抱える巨大化問題とその未来について、AIと一緒に考察していきます。一部モデルではサポートステイが必要になるほど肥大化・重量化してしまったハイエンドグラボは、果たして小型化できるのでしょうか?

ソルティ
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それでは早速見ていきましょう!

ハイエンドグラボ巨大化を考察:構造的課題とハイエンドグラボの未来をAIと一緒に考える

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ハイエンドグラボが巨大化する要因をAIと一緒に考察

ベンター独自の”冷却性能”由来:RTX 5090の事例

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ベンダーのハイエンドグラボが大きくなる要因の一つは「冷却性能の確保」です。

2025年1月にNVIDIAが発表したハイエンドグラボ「RTX 5090」(外部リンク)のリファレンスモデルは、前世代RTX 4090の大型化や高TDPの噂から予想された巨大化を覆し、2スロット設計や液体金属を採用したコンパクトな筐体を実現しました。

NVIDIA RTX 5090のリファレンスモデル
NVIDIA RTX 5090のリファレンスモデル(標準となるモデル)。重量は約1.82kgで、前世代から約16%軽量化。Copyright © 2025 NVIDIA Corporation.

現在のリファレンスモデルは参考品のようなもので、少量しか製造されません。実際に市場へ出回るグラボは、NVIDIAから供給されたGPUにベンダーが独自のオーバークロック(OC:標準以上の速度で動作させる設定)を施したモデルになります。

「RTX 5090 32G GAMING TRIO OC」の分解図
「RTX 5090 32G GAMING TRIO OC」の分解図。Copyright © 2025 Micro-Star INT'L CO., LTD. All rights reserved.

PCパーツは高性能になるほど計算中に熱を発生させます。オーバークロックを施したハイエンドグラボには、ファンやヒートシンクなどの強力な冷却システムを組み込むことが必須で、これがベンダーモデルのサイズ肥大化に影響します。

MSI「GeForce RTX 5090 32G SUPRIM SOC」の分解図
MSI「GeForce RTX 5090 32G SUPRIM SOC」の分解図。Copyright © 2025 Micro-Star INT'L CO., LTD. All rights reserved.

リファレンスモデルでは冷却ファンが2つで収まっていても、ベンダーのOCモデルでは3つに増えることがよくあります。GPUの過熱による故障を防ぐため、OCモデルでは「大型化と重量化」が絶対に避けられないのです。

ベンダーがリファレンスモデルをそのまま製造すれば良いのでは?と思いますが、AIによるとリファレンスモデルは利益が上がらず、また独自OCの付加価値も消えるので競争力とメーカーのブランド力が無くなってしまうとのことでした。

ソルティ
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各ベンダーが付加価値を生み出そうとした結果、肥大化が起こるようですね。

回路由来(GPUのダイサイズ)

AI
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ハイエンドグラボは高度な演算能力を持つGPUを搭載していますが、GPUのサイズ自体が大きいため、結果として基板の面積が大きくなってしまいます。

GPUはnmの単位で表される「製造プロセスの微細化」によってトランジスタ搭載数を増やし、性能を向上させてきた歴史を持ちますが、AIの見解では、現在の技術力ではGPUのダイサイズ(物理的な大きさ)を大幅に小型化することは難しいそうです。

NVIDIA Blackwell アーキテクチャ
RTX 5090に搭載されているNVIDIA Blackwell アーキテクチャのGPU。Copyright © 2025 NVIDIA Corporation.

GPUダイが微細化を果たしても、空いた面積に多くの機能を詰め込めばダイサイズの縮小は抑制され、また微細化してもそれで発熱が収まるわけではなく、同じ面積内に集まる電力密度が増加して「熱密度の上昇」を招く弊害も出てしまいます。

日本ポリマー株式会社のHP(外部サイト)では、微細化のデメリットとして「配線抵抗の増大」「リーク電流(漏れ)の発生」を挙げています。微細化によってダイを一定サイズには留められますが、それ以下にするためには”ブレイクスルー”が必要です。

ソルティ
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技術力の限界が、ハイエンドグラボの大きさにも反映されているのですね。

ハイエンドグラボの小型化に必要なことをAIが考察

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ハイエンドグラボを小型化するために、「新素材」「チップレット設計」「AI技術の進化」を活用していく必要があると考察します。

新素材

AIが提唱する「新素材」とは、グラフェンやカーボンナノチューブを指します。現在CPUやGPUはシリコンをベースに製造されていますが、これをグラフェンやカーボンナノチューブに置き換えることで、ダイサイズ縮小と性能向上が期待できます。

グラフェンのイメージ画像
Grokによるイメージ画像

炭素シートで出来ているグラフェンは、シリコンの10倍以上の熱伝導率で発熱を効率的に逃がします。また、髪の毛よりも細いカーボンナノチューブは銅の100倍の電流密度耐性を持つため、「小型かつ高性能な回路」に最適です。

これらの新素材は、ハイエンドグラボが抱える回路規模増大や熱密度上昇といった課題を軽減し、小型化に貢献する可能性があります。ただAIによると、新素材への置き換えには”数十年”単位の開発期間がかかる見通しだそうです。

ソルティ
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画期的な新素材が応用されれば、一気に半導体技術が進化しそうですね。

チップレット設計

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チップレット設計が進化すれば、従来の「1つの巨大なダイ」を作る必要がなくなり、製造効率が向上し、その結果コストやサイズを抑制できます。

複数のチップを配置して高速接続で結び、チップの集合体を”まるで1つのチップのように働かせる”設計を「チップレット設計」と呼びます。GPUは現在、このチップレット設計思想の実装において、やや遅れを取っている半導体です。

チップレット設計を持つRDNA 3のGPUのイメージ画像
AMDはRDNA 3でチップレット設計を導入しました。© 2025 Advanced Micro Devices, Inc.

AMDはRadeon RX 7000シリーズでチップレット設計を投入し、生産コスト削減と電力効率アップを果たしましたが、高度な計算や低レイテンシが要求される場合には、従来の設計”モノリシックダイ”構造が適している場合もあります。

新素材と組み合わせれば、チップレット設計は熱密度や回路規模の課題を軽減し、ハイエンドグラボのコンパクト化を後押しします。AIの予測では、5~10年内にチップレット設計が小型化に大きく貢献する可能性があるとのことです。

ソルティ
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AMDとNVIDIAの”進化の方向性”を見守っていきたいです。

AI技術の進化

AI
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AIベースのレンダリング技術を利用することで、ハードウェア依存の高性能化を緩和できます。

NVIDIAのDLSSやAMDのAFMFなどのアップスケール・フレーム生成技術には、AIが活用されています。またRTX 5000シリーズでは、AIのニューラルレンダリングによるフルレイトレーシング(リアルタイムの光源表現)が実現しました。

ニューラルレンダリングによるフルレイトレーシングの実例
ニューラルレンダリングによるフルレイトレーシングの説明画像。画面右半分がONの状態。Copyright © 2025 NVIDIA Corporation.

AIベースのレンダリング技術は、グラボの性能をハードウェアの大型化に頼らず向上させます。フレームレート補完やグラフィックの描画向上を担うAI技術は「グラボ巨大化問題を解決するカギ」いうのがAIの主張で、私も賛成です。

新素材と設計技術、そしてAI技術の進化。この三要素が上手く合致する開発が起こった未来の世界では、ハイエンドでありながら驚くほどコンパクトな筐体を持つ、「従来の概念を覆すグラボ」が誕生するかもしれません。

ソルティ
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AIがグラフィックボードの能力を進化させる未来が楽しみです!

まとめ

2025年1月に開催された「CES 2025」で、NVIDIAは大方の予想を覆すコンパクトなグラフィックボードをリファレンスモデルとして公開しました。ハイエンドでありながら2スロットに収まるRTX 5090の設計は実に驚異的です。

RTX 5090リファレンスモデルの分解図
RTX 5090リファレンスモデルの分解図。Copyright © 2025 NVIDIA Corporation.

その一方、実際に広く市場へ出回る各ベンダーのRTX 5090 OCモデルは巨大化に歯止めが掛からず、NVIDIAが示した”最適解”との剥離に失望したユーザーも多かったと思います。大袈裟に言えば”未来と過去”くらいの開きがありました。

RTX 5000シリーズ最大の特徴はAI制御機能を多数盛り込んだことで、これによってグラボ本体の肥大化に一定の歯止めを行えることも証明しました。今後もNVIDIAは積極的にAI機能でグラボの未来を変えていくことでしょう。

RTX 5090を手に取るNVIDIAのジェンスン・フアンCEO
CES 2025の会場でRTX 5090のリファレンスモデルを手にするジェンスン・フアンCEO。Copyright © 2025 NVIDIA Corporation.

ベンダーは今、NVIDIAが示した道筋を汲み取り、製品設計の方針を大きく転換する時期に来ていると思います。テクノロジーの進化はディスプレイを除き、”製品を小型化する方向”へ働いていくことが自然な流れだからです。

NVIDIAもまた、世界のユーザーから不満の声が上がっているリファレンスモデルの供給量について再考すべき時期ではないでしょうか。標準モデルとOCモデル両方が出回ってこそ、健全な市場と選択の余地が生まれるはずです。

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最後までお読み頂き、ありがとうございました!

ソルティ92
この記事を書いた人
ソルティ

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