
最近はハイエンドなグラボのサイズが大きくなっていますね。

物理的巨大化に歯止めをかけるためには、製造プロセスや技術のイノベーションが必要です。
私は自作PC歴10年で、これまでNVIDIAとAMDのGPUを持つグラフィックボード(グラボ)を自作PCに組み込んできましたが、最近気になることが「ハイエンドなグラフィックボードの巨大化」です。

市場に出回るグラボは、NVIDIAやAMDとライセンス契約を結んだMSIやASUSなどのベンダーによる独自設計モデルがほぼ全てを占めますが、2020年以降のハイエンドモデルは消費電力の増大に伴い大型化と重量増加が顕著です。

今回は、ハイエンドグラボが抱える巨大化問題とその未来についてAIと一緒に考察します。一部では”サポートステイ”が必要になるほど肥大化・重量化したハイエンドグラボの未来はどうなるのでしょうか?

それでは早速見ていきましょう!
ハイエンドグラボの巨大化を考察|構造的課題とハイエンドグラボの未来をAIと一緒に考える
ハイエンドグラボが巨大化した要因をAIと一緒に考察
ベンター独自の”冷却性能”由来:RTX 5090の事例

ベンダーのハイエンドグラボが大きくなる要因の一つは「冷却性能の確保」です。
2025年にNVIDIAが発表した「RTX 5090」(外部リンク)のリファレンスモデルは、前世代RTX 4090の大型化から予想された巨大化を覆し、2スロット設計と液体金属を採用したコンパクトな筐体を実現しました。

現在リファレンスモデルは参考品のようなもので、少量しか製造されません。市場へ出回るグラボは、NVIDIAから供給されたGPUにベンダーが独自のオーバークロック(OC:標準以上の動作速度設定)を施したモデルになります。

PCパーツは高性能になるほど計算中に熱を発生します。オーバークロックを施したハイエンドグラボには”ファン”や”ヒートシンク”などの強力な冷却システムを組み込むことが必須で、これがベンダーモデルのサイズ肥大化に影響するのです。

リファレンスモデルでは冷却ファンが2つでも、ベンダーのOCモデルでは3つに増えることがよくあります。GPUの過熱による故障を防ぐため、OCモデルでは「大型化と重量化」が絶対に避けられないのです。

ベンダーがリファレンスモデルをそのまま製造すれば良いのでは?と思いますが、AIによるとリファレンスモデルは利益が上がらず、独自OCの付加価値も消えるので競争力とブランド力が無くなるとのことでした。

ベンダーが付加価値を生み出そうとした結果、肥大化が起こるようですね。
回路由来(GPUのダイサイズ)

ハイエンドグラボは高度な演算能力を持つGPUを搭載しますが、GPUサイズ自体が大きいため、結果として基板面積が大きくなってしまいます。
GPUはnmの単位で表される”製造プロセスの微細化”によってトランジスタ搭載数を増やし、性能を向上させてきた歴史を持ちますが、AIの見解では、現在の技術力ではGPUのダイサイズ(物理的な大きさ)を大幅に小型化することは難しいそうです。

GPUダイが微細化を果たしても、空いた面積に多くの機能を詰め込めばダイサイズの縮小は抑制され、また微細化してもそれで発熱が収まるわけではなく、同じ面積内に集まる電力密度が増加して”熱密度の上昇”を招く弊害も出てきます。

日本ポリマー株式会社のHP(外部サイト)では、微細化のデメリットとして”配線抵抗の増大”と”リーク電流(漏れ)の発生”を挙げます。微細化でダイは一定サイズに留められますが、それ以下にする”ブレイクスルー”が必要です。

技術力の限界が、ハイエンドグラボの大きさに反映されているのですね。
ハイエンドグラボの小型化に必要なことをAIが考察

ハイエンドグラボを小型化するために、「新素材」「チップレット設計」「AI技術の進化」を活用していく必要があると考察します。
小型化のカギその1:新素材の応用
AIが提唱する新素材とは、グラフェンやカーボンナノチューブを指します。現在CPUやGPUはシリコンをベースに製造されていますが、これを新素材に置き換えることで、ダイサイズ縮小と性能向上が期待できます。

炭素シートで出来ているグラフェンは、シリコンの10倍以上の熱伝導率で発熱を効率的に逃がします。また、髪の毛より細いカーボンナノチューブは銅の100倍の電流密度耐性を持つため、「小型かつ高性能な回路」に最適です。

これらの新素材は、ハイエンドグラボが抱える回路規模増大や熱密度上昇を軽減し、小型化に貢献する可能性があります。ただAIの予測では、新素材への置き換えには”数十年”単位の開発期間がかかる見通しです。

新素材が応用されれば半導体技術が一気に進化しそうです。
小型化のカギその2:チップレット設計

チップレット設計が進化すれば、従来の”1つの巨大なダイ”を作る必要がなくなり、製造効率が向上し、その結果コストとサイズを抑制できます。
複数のチップを配置して高速接続で結び、その集合体を1つのチップのように働かせる設計をチップレット設計と呼びます。GPUはこのチップレット設計思想の実装でやや遅れを取っている半導体です。

AMDはRadeon RX 7000シリーズにチップレット設計を投入し、生産コスト削減と電力効率アップを果たしましたが、高度な計算や低レイテンシが要求される場合には、従来の”モノリシックダイ”構造が適している場合もあります。

新素材と組み合わせれば、チップレット設計は熱密度や回路規模の課題を軽減し、ハイエンドグラボのコンパクト化を後押しします。AIの予測では、5~10年内にチップレット設計が小型化に大きく貢献する可能性があるとのことです。

AMDとNVIDIAの”進化の方向性”を見守りたいです。
小型化のカギその3:AI技術の進化

AIベースのレンダリング技術を利用することで、ハードウェア依存の高性能化を緩和できます。
NVIDIAのDLSSやAMDのAFMFなどのアップスケール・フレーム生成技術には、AIが活用されています。RTX 5000シリーズでは、AIのニューラルレンダリングによるフルレイトレーシング(リアルタイムの光源表現)が実現しました。

AIベースのレンダリングは、グラボ性能をハードウェアの大型化に頼らずに向上させます。フレームレート補完やグラフィック描画向上を担うAI技術は「グラボ巨大化問題を解決するカギだ」いうのがAIの主張です。

新素材・設計技術・AI技術の進化。この三要素が合致する開発が起こった場合、ハイエンドでありながら驚くほどコンパクトな筐体を持つ「従来の概念を覆すグラボ」が誕生するかもしれません。

AIがグラフィックボードの能力を進化させる未来が楽しみです。
まとめ
2025年1月のCES 2025で、NVIDIAは大方の予想を覆すコンパクトなグラボを「リファレンスモデル」として公開しました。ハイエンドでありながら2スロットに収まるRTX 5090の設計は実に驚異的です。

その一方、実際に市場へ出回る各ベンダーのRTX 5090 OCモデルは巨大化に歯止めが掛からず、NVIDIAが示した”最適解”との剥離に失望した方も多かったと思います。大袈裟に言えば”未来と過去”くらいの開きがありました。
RTX 5000シリーズ最大の特徴はAI制御機能を多数盛り込んだことで、これによってグラボ本体の肥大化に一定の歯止めを行えることを証明しました。今後もNVIDIAは積極的にAI機能でグラボの未来を変えていくでしょう。

ベンダーは今、NVIDIAが示した道筋を汲み取り、製品設計の方針を転換する時期に来ていると思います。テクノロジーの進化はディスプレイを除き、”製品を小型化する方向”へ働くことが自然な流れだからです。

最後までお読み頂き、ありがとうございました!



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