AIが進化することで、Webライターの失業率は高まりますか?
AIの進化は確かにWebライター業界に影響を与える可能性があります。
私は当サイトを立ち上げる以前、Webライターとして企業との業務委託で仕事をしていました。
今回は、インターネットへ記事を寄稿する職業の「Webライター」が、AIが進化することでどのような立場へと変わっていくのかを見ていきます。
また、人間にしか書けない記事とは何なのか、そしてAIとの共同作業の可能性についても語りつつ、Webライターの未来を予測していきます。
それでは早速見ていきましょう!
AIはWebライター業を奪うのか?
自動生成ツールがより高度になれば、単純な記事や一般的な情報の執筆においてはAIが代替するケースが増えるでしょう。
現在、大きなムーブメントとして徐々に起こりつつあることがまさにこれで、すでに日本でもAIにブログを執筆させるサービス業が登場しています。
AI自動生成による記事作成最大のメリットは、短時間で構成と執筆が完了すること。そして情報を素早く収集しながら包括的な記事を提供できることにあります。
内容の善し悪しは別として、今では一定レベルの記事をAIが書き上げることが可能です。
文章作成が苦手な人が、AIに代筆を頼むという傾向も増えていきそうです。
多かれ少なかれ、Webライターの資質として「SEOへの対応」が望まれることがあります。検索の上位に記事が掲載されることがPVに繋がるためです。
AIをWebライターにすると、このSEO対策もきちんと織り込んだ記事を作成してくれるため、不慣れなライターよりも結果を残す可能性があります。
また、人間のWebライターが起こしがちな誤字脱字に関しても完璧に対応できるため、クオリティー面でも一定水準の記事が生まれていきます。
ある程度のスキルを持つWebライターでないと、生き残りは厳しそう・・
これからWebライターになりたい、または副業レベルで記事を執筆しながらお金を稼いでみたい、と考えている人にとって、これは由々しき事態です。
実際Webライターの求人数は目に見えて減っており、単純なクラウドワーカー案件も目減りする一方。かつてのような盛り上がりは全く感じられません。
ただし、これはAIの台頭だけが問題になっているのではなく、ライター側に基本的な文章構築能スキルが欠如していることも大いに関係していると思います。
Webライター側の問題点
優れたWebライターに必要なのは、読解力と語彙力、そして文章構築能力だと思います。理路整然としていない文章には、まったく説得力がありません。
残念ながら個人ブログのみならず、大手企業の公式サイトからニュースサイトに至るまで、様々なメディアで現在上記の3要素が希薄になっていると感じます。
Webライターは特別な試験を受けることなく誰もがなれる職業ですが、近年その母数が大幅に増えたことで、全体的な文章の品質が低下している印象です。
誤字脱字が多い、文章が読み辛いサイトは困りますよね。
若者の多くが長文を書けないようになっている、という見方があります。一説にはSNSでの短文作成に慣れてしまったため、とも言われています。
三年に一度「学習到達度調査(PISA)」が行う「15歳が文章を読み解く力・読解力」調査では、2018年に日本が加盟国中で最下位になりました。
SNS全盛の今、昔と比べて読書する習慣が大幅に減り、様々な言い回しを持つ長文構造に慣れないまま成長した人も多いのではないでしょうか。
本をいっぱい読むと、文章構築能力が大幅にアップしますよ!
AIは色々な文章パターンを学習させることで、優れた長文を構築できるようになります。これは人間も同じことで、自分の中に「引き出し」を多く持つしかありません。
異なる時代に書かれた小説や文章の数々を読みながら、それらの文体や文脈、言い回しを吸収して取り入れると、長い文章もスラスラ書けるようになります。
「文章をまともに書ける人が減っているから、この際AIに出力させてしまおうか」と考える人が増えたら、Webライターの未来は厳しいものになりそうです。
文章作成で人間がAIに勝る部分
このままだとAIがWebライターのポジションに取って代わる未来が見えてくると思いがちすが、AIでは上手く表現できない文章があります。それは「感情」です。
ご存知の通り、AIには感情がありません。予めインプットされた言い回しでそれらしい表現をすることはできますが、人間のそれには遠く及びません。
反対に人間には豊かな感情とそれらを引き出す語彙があり、喜びを爆発させる文章も、シニカルに語りかける文章も自在に生み出すことができます。
思いが込められた文章は、自動生成の平坦な文章を大きく凌駕します。
独自性や深い洞察、感情を込めたライティング、読者の共感を生むストーリーテリングなどは、AIにはまだ難しいです。
独自性という部分では、これまでの人生で培ってきた実体験が大いに役立つでしょう。自分だけの経験を文章化すれば、記事の価値が大いに高まります。
皮肉なことに、SEOでアルゴリズムを働かせている検索エンジンにも感情や個性は存在しませんが、著者の独自性は評価されるポイントになっています。
他所から引っ張ってきた情報の蓄積だけで文章を構築すると、著者固有の独自性が全く生まれないため、結果として誰が見ても面白くない記事になるのです。
「人間らしさ」を文章に落とし込めるのは人間だけです。
AIと人間が共存する未来
Webライターの失業率は短期的に上がる可能性がありますが、AIと共存しながらスキルを磨くことで、新たな役割や機会が生まれる可能性もあります。
AIが薦めるのは、人間とAIがWebライターの分野で共存していく未来です。AIの進化で人間のライターは一定数淘汰されますが、絶滅することはありません。
ただし業務提携でライター業を行っていくビジネスモデルは、今後消滅する可能性が予想されるので、書くことが好きな人は身の振り方を考える時期かもしれません。
私は業務提携の道を捨て、自らサイトを立ち上げて執筆を継続する道を選びました。
書くための居場所を自分自身で作り出した形です。
現在も求人サイトで業務提携ライターを募集しているところがありますが、その数はWebライター候補の母数と比べて圧倒的に少ないのが現状です。
スーパーなどのレジが徐々にセルフ方式へ切り替わり、レジ担当という職業が以前よりも減っているのと同じく、Webライターにも確実に変化の波が押し寄せています。
具体的な共同作業
AIが提示する人間とAIの共同作業例として、AIが生成した記事コンテンツの品質を人間がチェックし、編集やリライトを行う、というモデルがあります。
これは密かに実行しているサイトも多い手法ですが、AIが生成した記事の言い回しには特徴的なクセがあるため、上手くリライトしないとすぐに分かります。
世間にはAIに対して嫌悪感を抱く人も一定数いるので、AIに記事作成の大半を任せることへのリスクは大きく、今後の進化や浸透が大きな課題になっていきそうです。
現在AIに自動で記事を作ってもらう場合には、ファクトチェックが欠かせません。
上記はAIにイニシアティブを握らせる形での共同作業例ですが、反対にAIをアシスタントにして、執筆中に調べ物をしてもらう、などの使い方もあるでしょう。
AIに書いた文章をチェックしてもらい、客観的な感想と改善点を述べてもらう、という使い方も有益と言えます。添削してくれるパートナーがいるのは心強いことです。
AIが8割、人間2割という比率で記事を作成するのか、人間8割、AIが2割という比率にするのか、またはそのどちらかに振り切るかは、完全に個人の自由です。
AIによる記事作成が普及しても、人間ならではの視点や独自のアイデアが込められた記事は、読者にとって特別な価値を持ち続けるでしょう。
Webライターとして生き残り続けたいと思っているあなたは、どの選択肢を選びますか?
色々な御意見があるかと思いますが、Webでの執筆を愛する人達のために、あなたのメッセージを投稿していただけると幸いです。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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