
あなたが考えるアナログレコードの魅力は何ですか?

アナログレコードの音楽体験には、単なる「音楽鑑賞」だけでなく、視覚や触覚、また儀式的な要素を含んだ「多面的な楽しみ方」があると言えます。
最近私は、Macに入っている自分の音楽ライブラリを「アナログレコード音源」に置き換える決心をしました。そして現在はアナログレコードをデジタルファイル化して楽しむ、という音楽鑑賞スタイルを実践しています。

私の場合、オールドロックや80年代の洋楽、サントラを好んで聴くことが多いのですが、これらを改めてアナログレコードの音源で聴くと、「何かが大きく違う」と感じます。詳細についてはこの記事も参照ください。
今回は、アナログレコードの魅力はどこにあるのか?という特集です。AIにインタビューを行いつつ、アナログをデジタルファイル化するメリットについての実体験と考察も交えながら、アナログレコードの魅力に迫っていきます。

それでは早速見てみましょう!
AIと一緒に考える「アナログレコードの魅力」と「アナログ音源をデジタル化」するメリット
アナログレコードの魅力
音質の暖かさ

アナログは「音が暖かい」と感じられることが多いようです。特に低音の再現が非常に自然で、細かいニュアンスが伝わりやすいとされています。
このAIの回答に含まれる感覚は、CDが誕生する1980年代以前にリリースされた「アナログレコード黄金期」のアルバムで顕著です。特に最初にデジタル音源を聴いた後にオリジナルのアナログ盤を聴くと、違いがよく分かります。

ビートルズの「Sgt Pepper’s Lonely Hearts Club Band」は「アナログの温かみ」を体感できるアルバムで、ダウンロード音源やCDで「キツい」と感じていた高音成分が、アナログではマイルドになって全く聞き疲れしません。
他のアルバムでも、デジタル音源と比較すると豊かな低音を備えているものが多く、「本来はこんな音だったのか」と認識を改めたものが多数あります。音像の中心に「太い背骨」が備わっているような感覚です。

ただし、同タイトルのアナログ盤でも、発売年や生産地域で若干音質は変化します。
オリジナル音源に近い体験

70年代以前に制作されたアナログは一切デジタル処理されていないため、ミュージシャンやエンジニアが意図した音を忠実に再現し、「当時の音そのもの」を楽しめます。
CDが世に出回り始めた際に、そのアピールポイントとして「ノー・ノイズ」を謳っていましたが、デジタル化に際して稚拙なノイズリダクションを施してしまい、元の音源が持っていた楽曲の成分が損なわれたこともありました。

初回CD盤の音質があまりよろしくないとされているビートルズも、発売当時のアナログレコードで聴くとジョンやポールが「自分の近くで歌っている」ような印象を受けます。これはデジタルバージョンでは体験できない衝撃です。
私はかつて「マスターテープに最も近いCD」を求め、CDの各国盤を発売年で遡ってコレクションしたことがありましたが、60年代や70年代後半までの音源は、結局「本家アナログレコード」の方が圧倒的に新鮮に聞こえます。

近年はデジタルリマスター技術も進化しており、ハイレゾ音源まで登場していますが、昔の音源で「真の音楽体験」をしたい場合には、一度アナログレコードで「オリジナルアルバム」を聴くことを強くおすすめします。
私は最近になってピンク・フロイドの「狂気」UK初回盤(マトリクスA3/B3)を手に入れましたが、B面におけるコーラスの重厚さやベースの存在感は別格で、何百回も聴いてきた曲で「鳥肌が立つ」体験をしました。

アナログレコードは「感動のレベル」が段違いに高いのです。
コレクションする喜び

アナログレコードの大きなアートワークは視覚的に楽しめます。また、レコードの盤面を手入れして、棚にコレクションしていく過程が楽しいと感じるコレクターも多いです。
CD時代以前にリリースされていたアルバムやシングル盤のレコードには、「そのサイズ」でファンが手に取ることを意識したアートディレクションが施されているので、「原寸大」でアートワークに触れることをおすすめします。

CD時代に入ると、ディスクのサイズに合わせるようにジャケットも縮小印刷され、その結果「判読不可能なレベル」にまで小さくなってしまった文字や絵柄なども出てきました。コンパクト化に伴う大きな弊害と言えるでしょう。
レッド・ツェッペリンの3作目「Ⅲ」の回転ジャケットに代表される「面白い仕掛け」は、非常に遊び心に満ち溢れて楽しいものです。部屋でゆったりと寛ぎながら、ジャケットを細部まで鑑賞する至福の時間を過ごせます。

中古レコードの年齢を重ねたジャケットや封入物には「古書のような芳香」も漂いますが、「時代を超えて自分の手元にある」という考古学的な感覚を体験できます。「当時の印刷技術」を観察・確認することもできて面白いですよ。
CDにも、アナログレコードジャケットをミニチュアで再現した「紙ジャケット」が存在し、私も一時期熱心に集めていましたが、本家本元はやはりアナログレコードなので、今は「本物」を集める優越感に浸っています。

ダウンロード音源には物理的な付属物が無いので、少し寂しいですよね。
リスニング時の集中感

アナログレコードは基本的に片面20~30分の再生時間なので、アルバム全体をじっくり聴くスタイルが身につきます。デジタル音楽のように「曲を飛ばす聴き方」とは異なる体験です。
パール・ジャムの3rdアルバム『バイタロジー』に収録された「スピン・ザ・ブラック・サークル」は「アナログ讃歌」で有名な楽曲で、この曲でボーカルのエディ・ヴェダーが歌う歌詞は、AIが出力したアナログの魅力と合致します。

オート再生機能付きプレーヤーを除き、レコードプレーヤーはA面の最後まで聴いたらユーザーが自分でカートリッジを持ち上げる必要があります。こうした一見「面倒」に見える仕組みにも、集中力を高める効果があるはずです。
アナログ時代のアーティストは、アルバム製作時に「片面の収録時間」を意識しながら曲の無駄を削ぎ落としていったと思います。その結果として「トータルで聴けるアルバム」が多かったのではないか、というのが私の持論です。

CD時代に突入すると、最大収録時間の74分ギリギリに曲を詰め込むアルバム制作スタイルも出てきましたが、片面毎に聴くことができるアナログ盤とは異なり「一気に聴く」ことになるため、そこで聴き疲れが起こります。
片面の演奏が終わった後に必ず「盤面をひっくり返す動作」が入るアナログ盤は、不自由なように見えて実はコンスタントな集中力で音楽と向き合える理想的な媒体だったのではないかと、私は今になって考えているのです。

アナログに回帰したら、以前よりも真剣に音楽に向き合うようになりました。
アナログ音源を「デジタル化」するメリット
私は現在、TEACのターンテーブルで再生したアナログレコードの音源をKORGの「DS-DAC-10R」経由でデジタル録音し、それをデジタルファイル化してMacに取り込んで、外出時にはiPhoneで聴いて音楽を楽しんでいます。

無論、アナログレコードはアナログプレーヤーで再生した時が一番感動しますが、アナログ音源をデジタル化するメリットは確かにあります。この点について、AIにインタビューを敢行しながら考察していきましょう。
長期保存ができる

アナログレコードは経年劣化で摩耗し、音質が劣化することがあります。デジタル化することで劣化を防ぎ、音源を長期保存できるようになります。
私は「外出時にも音楽を聴いていたい」という思いから、積極的にアナログレコードのデジタル化に取り組んでいるのですが、万が一の場合に備えた「バックアップを取る」という観点からも、デジタル化はおすすめです。

また、盤面が反っている、またはスクラッチノイズを発生させる「傷」が多いなど、あまり状態のよろしくないアナログ盤に何回もレコード針を落とすことは「針の劣化」にも繋がるため、一度録音しておくと安心できます。
さらに言えば、大震災や自然災害など、人間がコントロールできない状況下でアナログ盤を失う恐れもあります。物理メディアは一旦失うと二度と戻ってこないため、クラウド保存も活用できるデジタル化には意味があるのです。
アナログ音源の元になるマスターテープも「経年劣化」を避けられないため、近年はマスターテープを高解像度でデジタル保存する流れが世界で一般的です。デジタルの特性と強みを活かした取り組みと言えるでしょう。

アナログ音源を「デジタルダブル」にして保存することには意義があります。
音質の向上(ノイズ除去)

アナログレコードをデジタル化する過程で「音声編集ソフト」を使い、不要なノイズを取り除くことで、よりクリアな音源になります。
これがアナログレコードのデジタル化における「最大の恩恵」と言えるでしょう。プレーヤーでの再生時に気になってしまう「プツッ」「バチッ」というノイズは、市販の音声編集ソフトによって簡単に修正できるのです。

私が現在ノイズ除去に利用しているのは、iZotope社の「RX-7」という音声編集ソフトです。バージョンは古いですが、このソフトは取り込んだ音源のノイズ除去に加えて、ゲイン(音量)調整などで大活躍してくれています。
アナログレコードのノイズ除去については別記事で特集していますので、興味を持たれた方はこちらもぜひご一読ください。実際の手順を画像付きで説明しながら、ノイズ除去の実際をお伝えしています。
ノイズを適切に除去したアナログ音源は、文字通り「見晴らしの良い音源」に変わります。雑音やノイズが苦手でアナログを聴かないという方も、一度「デジタル化→ノイズ除去」を体験すれば印象が変わるはずです。

上手く処理できると「ノー・ノイズ」のアナログ音源を生み出せますよ。
まとめ
私の実体験として、デジタルファイル化したアナログレコードは、以前保有していたCD版のファイルと比較しても、概ね優れた音質とリスニング体験を提供してくれると感じます。特にオールドロックのアルバムで顕著です。

これは、アナログ音源をCDと同じ44.1kHz/16bitのデジタルファイルに変換しても感じたことで、アナログ全盛期に販売されていた昔のアルバムほど、CD化された音源と比較して「分離感や鮮度」が高いことを体感できます。
その一方、デジタル時代にリリースされたアルバムにはデジタルの良さがあり、これを否定する気はありません。ただ私は、アナログ時代に出回った音源は、やはりアナログレコードで聴くのが一番だという結論に達しました。
物理メディアとしての所有感でアナログレコードは突出しており、さらに数十年の歴史を生き残ってきた「考古学的な価値」もあります。アナログが持つ魅力を体験すれば、音楽人生が充実すること間違いなしです。

最後までご覧頂き、ありがとうございました!
コメント