世界には多くのインディーゲーム(個人もしくは少人数体制で開発された低予算作品)の製作者が存在し、それぞれが工夫を凝らした作品を発表していますが、宣伝不足で認知度が今ひとつ低いという現状も、確かに存在します。

私は以前、ゲーム紹介サイトでインディーゲームの記事を1000以上執筆していたことがあり、このユニークなジャンルには非常に愛着を持っています。低予算にも関わらず面白い作品が目立たないのは、本当に勿体無いことです。

今回は、多くのインディーゲーム開発者が悩まされているであろう「認知度不足」問題を解決できるかもしれない「次世代のインディーゲームプラットフォーム」構想と実現の可能性について、AIと一緒に考察していきます。

次世代のインディーゲームクラウドプラットフォーム構想と課題、未来予測をAIと一緒に考察

クラウドゲーミングサービスの応用

現在NVIDIAは、クラウドゲーミングサービス「GeForce NOW」(外部リンク)を展開しています。これは主にユーザーが購入済みのゲームをデバイスを問わずに遊べるサービスで、ここ日本でも利用することができます。

このクラウドサービスが画期的な点は、ゲームの描画部分をインターネット経由の「クラウド上」で行なっているため、かなり低スペックなパソコンやスマホ、タブレットでも「高品質なプレイ画像」を体験できるところです。

この「クラウドゲーミングサービス」の仕組みを、インディーゲーム専用のサブサブスクリプションサービスへ応用すると、どのような効果が期待できるでしょうか？今回はこの部分をAIと一緒に考えたいと思います。

インディーゲーム特化型クラウドサービス

私とAIが考えるこの新たなインディーゲーム特化型のクラウドプラットフォームサービスでは、サービスを利用するユーザーが定額料金を支払いながら、登録されているインディーゲームを「好きなだけ」自由に遊ぶことができます。

私は過去にとあるインディーゲームの記事を作るためにリサーチを行った際、インディーゲームというジャンルには熱狂的なコミュニティーが存在し、熱心に交流する「特定のファン層」を持っていることが分かりました。

有名なゲームが一切含まれないクラウドゲーミングサービスを疑問視する人がいるかもしれませんが、インディーゲームは潜在的に大きな市場を持ち、常に新しい作品に目を光らせている人も存在するため、成功する可能性はあります。

認知度不足の解消に繋がる

前述の通り、現在多くのインディーゲームが抱えている最大の問題点は「認知度不足」なので、こうした「一般消費者の目」にも留まりやすいクラウド型のプラットフォームへ進出することで、露出度の増加も期待できます。

無論このアイデアを実現するためには、インディーゲーム開発者の理解と参加を促す必要もありますが、作品を提供してくれる人が増え、協力の輪が世界的なレベルで広がるほど、サービスが魅力的なものになっていくはずです。

世界的なゲームのポータルサイト「Steam」は、インディーゲームデベロッパーにとって聖地のような場所と言えますが、このサイトはゲームの母数が非常に多いため、埋もれてしまう可能性が非常に高いと言えます。

その点インディーゲームだけに特化しているクラウドゲーミングサービスにゲームを登録しておけば、真のインディーゲームファンが「何か面白い作品」を求めて積極的に探してくれるため、結果的に露出度も高まるはずです。

広告モデル採用で開発コストを削減

この新プラットフォームが安定した「ゲーム用サーバー」の運用を負担してくれる仕組みにすれば、開発者サイドでサーバーを用意する必要がなくなり、低予算で自分のオンラインゲームを運営することも可能になります。

AIはこのアイデアを話し合う中で、収益補完としてプラットフォーム側がスポンサーコンテンツや広告をサービス内で展開すれば、プラットフォーム側もコストを抑えながらサービスを展開できるだろうと発言しました。

サーバーの代理運営と広告モデル収益の導入が、個別にSteamストアで作品を発表・配信するよりも「低価格な開発費」を実現し、それが最終的にインディーゲームデベロッパーに利益をもたらす、という構図です。

AI機能とクラウドサービスの融合

ただ単にGeForce NOWのように、既成のクラウドゲーミングサービスをなぞったようなサービス内容では、「二番煎じ」の域を越えることはできません。そこでフィーチャーしたい要素が「AIサービス機能」です。

クラウドゲーミングプラットフォームはAIによって管理され、サーバーの24時間監視や、ユーザーへのおすすめゲーム選定、さらにはゲームの多言語翻訳をAIが行います。どれもAIの強みと特性を存分に活かせるサービスです。

さらに、開発者が自分のゲームに関して「品質向上のためのデバッグ」をAIに依頼することも可能で、プレイデータを分析したAIが、改善すべきポイントや不具合について開発者へフィードバックを返す未来もあり得ます。

AIのゲーム多言語翻訳サービス

AI機能をフルに発揮できる「ゲームの多言語翻訳」システムについては別記事にまとめていますので、こちらも併せてご覧ください。人間の翻訳者へ仕事を依頼するよりもコストがかからず、短時間で翻訳できる点が魅力と言えます。

出力された翻訳に対して、人間自身が最終的な確認を行うことは必須と言えますが、簡易的な言葉を用いるインターフェースの翻訳であれば、どんな言語に訳してもほぼ間違いなく意味が通る翻訳になると思われます。

日進月歩の勢いで進化を遂げているAIの能力をこのクラウドゲーミングプラットフォームへ取り込むことによって、利用者と開発者の両方が喜べるサービスが生まれるのではないかと、私は確信しています。

クラウドプラットフォームサービス実現への課題

これまでご紹介してきたこの次世代クラウドプラットフォームサービスを実現させるための課題は、創設初期段階にかかるクラウドサービス構築のコスト、そして世界中のユーザーを呼び込むための「宣伝費」の捻出です。

どんなサービスも、最初から潤沢な資金を持って始められるわけではないことが多いため、こうしたアイデアを元にクラウドファンディングで資金を募り、透明性のあるサービス構築を行なっていくことが最も確実と思われます。

また、サービスに参加してもらうインディーゲーム作品は、その品質にばらつきがあることが多いと予測されるため、これらを適切にキュレーションできる人物や仕組みを作ることも大切だとAIは語っています。

次世代クラウドプラットフォームサービスの未来予測

サービスの未来を考えていくと、最終的にはインディーゲームを配信・運営するだけのクラウドシステムではなく、若き才能を育てる登竜門的なインディーゲームプラットフォームになっていく将来も想像できます。

プラットフォーム上で「ゲーム開発に興味を持つユーザー」向けの学習コンテンツを提供し、ゲーム開発に必要なプログラミングの手解きや指南をAIが行っていくことで、プラットフォームのファン層も厚くなる仕組みです。

「他にはない独創的なゲーム」を作りたいと考えている世界の人々が、言語の壁をAIのリアルタイム翻訳で超えながらお互いに刺激を受けつつ、開発と発表を同時行える場に集っていけば、より良い未来が開けると思います。

まとめ

世界の優れたインディーゲームには、大手のゲーム企業では実現できない、または想像もしていなかった純粋なアイデアが詰め込まれています。それはゲーム文化を底上げする大切な宝で、私が最も感心している部分です。

しかしながら、宣伝費用が不足しているために思ったような注目を集められず、結果的に資金が続かない故、短命に終わってしまったインディーゲームも無数に存在します。これはゲームカルチャーにとっての悲劇です。

こうした「アイデアはあるのに知名度と資金がない」開発状況を打開すべく、AIとクラウドゲーミングサービスを統合した次世代のインディーゲームプラットフォームができないものか、というのが今回のテーマでした。

ゲーム開発の格差が縮小する未来

今回ご紹介したサービスを技術的な側面で考えると、現時点では実現が難しいコンテンツや機能もありますが、それらは今後AIの進化と共に解消され、実際にこうしたクラウドサービスを模索する人が出てくると私は信じています。

クラウド技術とAIの能力を一緒に活用しながらサービスに織り込むことで、開発のハードルに関する資金力の格差が埋まり、低予算でゲーム開発を目指す優秀な人々が輝ける未来がやって来る。それが実際に起こることが楽しみです。

次世代のクラウドプラットフォームが、開発規模や予算に左右されない「対等な競争の場」を作り上げ、インディーゲームの独創性が世界的に注目されるチャンスを生み出すことに期待しつつ、今回は終わりたいと思います。