AIの映像認識技術が進化すれば、人間は「これまでにない体験」を得られそうです。
この技術は単に効率化をもたらすだけでなく、新しい体験の創出や人間の想像力を広げるサポート役としての役割も果たすでしょう。
以前の記事ではAIがどのように画像を認識しているかについて、AI自身の解説と共にお届けしました。今回は動く映像をAIが認識する仕組みと、その未来の可能性へ迫ります。
AIの映像認識技術が発展し、特にAR(拡張現実)やVR(仮想現実)との統合が進化することで、人間の視覚認識自体がステップアップする可能性も大いにあるようです。
それでは早速見ていきましょう!
AIが映像を認識する仕組み
すでに実現しているAIの映像認識技術には、顔認識、物体検出、ドローン自動飛行などの活用事例があり、これらは世界の多彩な分野で応用されています。
認識技術の根幹にあるのが深層学習(ディープラーニング)で、データを蓄えたAIは、3D構造再構築技術や動作解析技術などを用いながら、映像を理解していきます。
映像にある物体などを分析するために、前処理と特徴抽出、分類、後処理を順番に行っていく流れは、静止画の画像を分析していく工程と全く同じです。
AIは新たなデータを学習することで、映像認識の精度をさらに高められます。
どうしてAIには「そこに何があるか」分かるのでしょうか。よく考えると凄いことですが、AIによると実際はその裏で瞬間的に複雑な計算が行われているそうです。
昔は不可能に等しかった「高度な計算」を一瞬で終わらすことができる技術。このテクノロジーの進化が、AIによる画像・映像解析の裏側にはあるのですね。
AIの映像認識の発展には、クラウドコンピューティングの進化、分散処理技術の向上などが関与していますが、最も貢献しているのはGPUだそうです。
大量のデータを並列処理できるGPUの進化が、認識技術をさらなる高みへ引き上げたのですね。
以前は数日かかっていたタスクが、今では数時間や数分、場合によってはリアルタイムで処理できるようになりました。
我々はすぐに「AIは凄い」という感想を抱きがちですが、高度な計算を可能にしたデジタル業界の進化が、AI技術の普及と拡大を支えている、とも言えます。
映像を見せると、AIは膨大なデータにアクセスしながら計算し、その映像に「何が映り込んでいるのか」を瞬間的に把握する、というのが映像認識の仕組みです。
AI映像認識技術の未来
現時点でも与えられた映像を解析し、結果から動作予想や環境のデジタルツイン化などもできるAIは、将来的に様々な分野でその能力を発揮できる可能性を秘めています。
AIは映像認識技術を応用できる分野として、医療、建築設計、教育、料理・家事、工業・製造業、スポーツを挙げており、具体例も語ってくれました。
医療分野では、手術時の映像を見てアドバイスを出したり、患者の動きを解析しながらリハビリの指示を出したり、といったことが可能になるそうです。
映像から臓器や血管の位置を割り出し、執刀医へ指示することも理論上は可能です。
建設分野では施工管理役を、教育分野では実習指示役を、工業分野では組立ラインの監視役を、スポーツ分野ではフォーム改善のアドバイス役を担えるとも言っています。
さらにAIは、自身がVR/AR技術と統合することによって、ユーザーの視覚や聴覚を通じてリアルタイムでガイドを行うアシスタント的な役割も担うことができるそうです。
この段階へ突入すると、人間はかつてない未知の体験を得られます。技術革新が様々な分野で花開いていく可能性も、大いに高まることでしょう。
VRとARに加え、触覚デバイスも併用すれば、さらに面白くなりそうですね。
課題と倫理的側面
これらの未来を現実にするためには、様々な障壁を乗り越えていく必要があります。技術面の課題は、実現させるためのコストと、事前学習させるデータ量の多さです。
またデジタルツインとなる3D空間の完全な再構築には、リアルタイム処理の高速化が必要となるため、今以上に高速な計算を行える装置が要求されることになります。
倫理面での課題は、AIが扱うデータが透明性を持ち、かつ公平なものであるかという側面や、万が一AIが誤判断を下した場合の「責任の所在」などが挙げられます。
技術の恩恵を安全かつ公平に使用する仕組みを構築することが非常に重要です。
まとめ
画像と映像を高いレベルで認識できるAIは、今後の開発によってさらなる利便性を私たちにもたらしてくれる存在になっていくことが期待されています。
ただ、その一方で事前に綿密な「育成の方向性」を定めておかなければ、予期せぬ結果を招くことも十分に考えられるため、研究のアプローチには注意が必要です。
AIの映像認識技術は、未来にどれだけ変化をもたらすのでしょうか?身の周りでAI技術が役立っている世界を想像しながら、技術革新を見守っていきましょう。
最後までお読み頂き、ありがとうございました!
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