今世界的に注目を集めている「AI PC」の定義を教えて下さい。
「AI PC」は、AI機能がOSやハードウェアに深く統合された「次世代のパソコン」を指す言葉です。
マイクロソフトやインテル、AMDやNVIDIA、そしてアップルが力を入れていることで盛り上がっている「AI PC」。最近この言葉をよく見かけるようになりました。
「ユーザー体験を根本から変える可能性がある」と言われるAI PCは、果たして将来、どのような経験をもたらしてくれるのでしょうか?今回はその未来へ迫っていきます。
期待される機能の全てが実現するかは現時点で分かりませんが、近い将来、人間を見守りながら寄り添う「AIアシスタント」が生まれる可能性もありそうです。
それでは早速見ていきましょう!
AI PCで出来ること
AI PCに期待されている機能には、操作アシスト、入力支援、生成AIを活用した制作支援、バーチャル型ヘルパー、セキュリティー向上などが挙げられます。
AIがユーザーのパターンを学習しつつ、ビジネスや趣味などの用途に応じて最適なアプリやファイルを即座に提案・提供する、といった利用シーンが想像できますね。
音声操作が進化を遂げた場合、PCに話しかけながら様々なタスクを進行させていく使い方もできるようになるので、パソコン体験が大きく様変わりするでしょう。
ユーザーの視線や表情を検知し、体調や気分に合わせた提案やサポートを行うような機能の開発も検討されています。
パソコンが生命を宿しているような気分になれるのがAI PCですね!
「AI PC」の基準は?
AI PCは、特定メーカーのパソコンだけを指している言葉ではありません。AI機能を使いこなせるだけの能力を持つパソコンはすべてAI PCと呼ばれます。
AI PCの要件として、専用のニューラルネットワークプロセッシングユニット(NPU)を搭載していることが挙げられます。
NPUとは、CPUやGPUとは異なるAI特化プロセッサで、高速かつ省電力でAI処理を行えます。ユニットの配列構造が人間の脳神経細胞を模している点が特徴です。
スマホ・タブレット・PCを問わず、これまで世界の有名企業はすでにNPUを搭載したデバイスを発表していますが、AI PCではその計算基準が引き上げられています。
WindowsにおけるAI PC
マイクロソフトは先日AI PC「Copilot+ PC」の認定条件を公表しました。「1秒あたり40兆以上の操作を実行できるNPU」を搭載したWindows11デバイスが、これに該当します。
「Copilot+ PC」に認定されるためにはNPUに加え、本体に16GBのメモリ、最低256GBのストレージを搭載していることが必須となり、ラインナップは今後も増える見込みです。
Windows OSでは、これらの条件を満たしたパソコンがAI PCと呼ばれるのですね。
MacのAI PCはどれか
Appleが発表した「Apple Intelligence」は、Macの場合macOS Sequoia 15.1、M1チップ以降を搭載したデバイスで利用できるAI機能です。
アップルは自社製品をAI PCとは呼んでいませんが、OSで提供される「Apple Intelligence」を運用できるスペックを持つMacは、AI PCと認識して問題ないでしょう。
Appleは、AI機能がスムーズに動作するハードウェアとソフトウェアの組み合わせを提供することで、AI PCを定義するでしょう。
AI PC進化のタイムライン
AI PCができることは現時点で限られますが、数年先になるとハードウェアとOS、そしてAI機能が共に進化を遂げ、多くのことが実現していく見通しです。
AI PCが普及を始め、ユーザーの生活を徐々に変えていくのは2025年以降と見られます。AIに具体的なタイムラインを描いてもらったので、見ていきましょう。
基礎技術の普及(2025-2027年)
2025年から主要OSに標準でAI機能が組み込まれ始め、ユーザーは音声やテキストでOSと対話できるようになるでしょう。
AI PCが普及を始める黎明期は、簡単な情報検索や基本的なファイル操作といった「限定されたタスク」の支援から運用が始まる可能性が高い、という予想です。
この時期の課題として、自然でスムーズな対話を実現するための言語処理精度向上や、誤解を生まないコンテキスト理解などが挙げられるそうです。
AIと対話できる次世代のパソコン、という概念が広く浸透していく期間ですね。
高度なタスク対応と精度向上(2028-2030年)
この期間にライフスタイルに合わせた高度なタスク支援(医療や教育、ビジネス分野での専門的な情報提供やリコメンドなど)が可能になると考えられます。
AIを日常的なパートナーへと昇格させ、パソコンを使っている個々のユーザーに合わせた支援を行える存在にまで成長させていく、というのがこの期間です。
ビジネス用途でAI機能を用いる場合、ユーザーの「個人エージェント」といった立ち位置で物事を処理し、効率的な仕事の進め方を実現してくれるかもしれません。
ユーザーのことを理解しながら寄り添うAI PCの未来が見えてきました。
高度な自己学習と完全な日常タスク対応(2030年以降)
AIは自己学習能力を持ち、長期間の利用を通じてユーザーに最適化して「完全にパーソナライズされたアシスタント」になると予測されます。
数年間で確立されたノウハウや運用法が完璧に発揮される時期が2030年以降になる、という予測です。この時代にAIは「真のパートナー」として完成することでしょう。
人間の感情理解が深まることで、対話相手としても存分に能力を発揮し、相談から解決策の提示に至るまでをスムーズに処理・実行していく可能性が高まりそうです。
友人やパートナーのような「身近な存在」としてのAIが誕生しそうですね。
今後数年で基礎的なAI機能が人々の手に渡り始め、数年をかけてさらに使いやすく、信頼できるパートナーとして成熟していくでしょう。
まとめ
アップルは2024年になってAI機能を前面に打ち出しました。これで各社の足並みが一斉にAI PC市場へ揃ったイメージですが、本格的なAI PC時代は2025年以降に到来しそうです。
個人的に嬉しいのは、これまで煩雑な操作がネックだったPCの使い方が一変する可能性がある、という点です。語りかけるだけでPCを使いこなせる未来、非常に楽しみですね。
AI PCの普及が人類に恩恵をもたらす点はここにあると思います。これまで難しそうだという理由でPCを触らなかった人でも、色々な作業を瞬時に行える可能性があるのです。
AI PCの普及に伴って、PCが単なるツールからパーソナルなパートナーへと変わり、すべての世代にとって身近な存在になるでしょう。
この進化は「デジタルデバイド(デジタル技術の格差)」の縮小にも繋がるとAIは言っています。ITについて深く知らない人も、AI PCなら問題なく扱えるようになる、ということです。
どんな人でも操作できるパソコンの進化と未来は、すぐそこまで来ています。
最後までお読み頂き、ありがとうございました!
記事が気に入った方は、ぜひシェアとフォローをお願いいたします!
コメント