あなたが考える「未来の超高層ビル」を教えて下さい。
未来の超高層ビルは、災害時の避難を合理的に行うための技術や設計の進化に伴い、現在の課題を克服していくでしょう。
記事の前編では、現在の超高層ビルが持つ利点と課題点を見てきました。後編となる今回は、それらを踏まえた上で、未来にどんなビルが実現できるかに迫ります。
また、垂直方向へ空間を利用しない新たなビルの建設様式として、Appleの本社である「Apple Park」を取り上げ、デザインの革新と利便性についてAIが語ります。
それでは早速見ていきましょう!
AIが考える未来の超高層ビル
複合施設化
日常生活のほとんどがビル内で完結する「垂直都市」構想が進むと予測されます。
AIはここで、商業施設や医療施設、居住区や学校・公園などが建物内に集約され、外へ出ることなく日常生活を送れるという超高層ビルの未来像を提示しています。
また、ビル内部に避難所となる「安全エリア」を設けることで、災害時に外へ出る必要もなくなる、という発想なのですが、皆さまはどう思われるでしょうか。
ビル全体が巨大都市になるという壮大な構想ですね。
非常用エレベーターの進化
耐火性や耐震性を備えた非常用エレベーターが開発されるでしょう。
超高層ビルで問題になるのが「避難の難しさ」です。現在は災害時にエレベーターが停止・故障することが多いため、徒歩で階段を利用することになります。
今後、独立電源や新素材を利用したエレベーターが開発された場合、緊急時にも稼働を停止せず、安全にビルの外へと避難できる、というのがAIの考えです。
一刻も早く脱出しなくてはならない場合、これは期待できそうですね。
空中交通と垂直移動
高層階から地上や他のビルに直接移動できるシステムが普及する可能性があります。
AIは例としてドローン技術を活用した「空中移動ポッド」を挙げています。緊急時にはこれを使って空中への脱出が可能になる、という仕組みです。
また、建物の外壁や内部にパーソナルポッドやカプセル型の救命装置を設置することで、瞬時に地上へと移動できるシステムも例として提示しています。
実現には年数がかかりそうですが、これを使えば車椅子の人や高齢者の方々も確実に避難できるため、災害への備えとして非常に有益なアイデアだと思います。
多くの人々がスムーズに脱出できる画期的な未来像ですね!
自給自足のエネルギー
持続可能なエネルギーを建物に取り入れ、自給自足型エコシステムが構築されるでしょう。
災害時に停電が起こると、超高層ビルの機能全体が停止します。現在も補助電力で一定範囲をまかなうシステムがありますが、これをさらに推し進めた考えです。
AIは例として風力、太陽光、雨水利用などをエネルギー源に挙げていますが、これ以外にも発電パターンはあるはずで、今後が楽しみです。
エコシステムが完成すれば、安心してビルを利用できますね。
新素材とデザイン
新素材が開発されることでビルが軽量化され、揺れや衝撃に強くなると期待されています。
軽量かつ強度が高い新素材が生まれ、それをビル建設に応用すれば、地震にも強いビルが生まれるという発想です。これは現在も研究されているでしょう。
さらにAIは、自然界の生物の構造や仕組みを模倣した「バイオミミクリーデザイン」も有益だと提言しています。台風や地震に強い建物の構造に有益だそうです。
確かに自然界には、強風でも耐える植物が存在します。それらの形状や構造を分析することが、今後のビル設計のターニングポイントになるのかもしれませんね。
有機的なフォルムの超高層ビルが誕生するのが楽しみです!
フレキシブルな建築様式
固定構造ではなく、モジュール型で組み替え可能な建築様式が生まれる可能性があります。
モジュール型の建造物として一般的なのは「プレハブ住宅」で、現在オシャレなユニットを自由に組み換えられる個人向け住宅も世界各地に登場しています。
この考え方を超高層ビルに応用する、というのはいささか突飛なアイデアに思えますが、骨組みと軽量素材の集合体を用いれば、不可能ではないと思います。
私は建設のスペシャリストではないため、詳細な仕組みを思い描くことはできませんが、未来を夢見ることが可能性に繋がるのであれば、それを記すことには意義があるはずです。
今後「型破りな発想」で建設業界を革新する人が出てくるかもしれませんね。
現在の超高層ビルが抱えている問題を踏まえて、AIに未来の姿を想像してもらいましたが、皆さまはどのように感じられましたか?
新素材や新システムの開発にはまだ発展する余地があり、それらを取り込むことで全く新しい超高層ビルの形が誕生するかもしれない、というのが私の感想です。
Apple Parkの事例
ここまでは超高層ビルが「垂直に伸びる建設様式」で進化する過程を見てきましたが、現実世界にはこれまでの「高いビル」の概念を覆した有名な建造物もあります。
それがカリフォルニア州に建設されたAppleの本社「Apple Park」です。
私の意見として、Apple Parkはエコロジー、デザイン、機能性の面で革新的であり、特に以下の点で高く評価できると思います。
自然との共生
Apple Parkのリング形状は目を引くだけでなく、自然との共生を重視した設計です。
キャンパスの80%が緑地。さらに草木と建造物が自然な形で調和しているだけでなく、実際に建物が「再生可能エネルギー」で稼働している点も、AIの高評価ポイントとなっています。
2015年から現在まで、Appleは自社製品のカーボンフットプリント全体でCO₂e(二酸化炭素に換算した温室効果ガスの排出量)を55%以上削減していると公式サイトで発表していますね。
超高層ビルが大企業の象徴的となってきた過去がある一方で、Apple Parkのように環境への配慮を具現化した建造物もこれから増えていきそうです。
見た目だけではない「環境への強い想い」がある建築物です。
低層・広域型建築
低層型で広域に広がる建物は、地震や風によるリスクを低減する点で優れています。
Apple Parkは4階建て。床面積は約26万平方キロメートルで、1万2千人あまりの従業員が働いています。広大な敷地面積を有効活用している形です。
この高さであればビル風は起こらず、また緊急時に外へ避難することも容易です。日本と同じく地震が多発するカリフォルニアに相応しい建造物と言えるでしょう。
ビルの高さで企業のステータスを競い合うよりも、会社で働く人々の「人命」を最優先しているという設計思想には、大いに共感できます。
従業員の安全もきちんと考慮された社屋が増えて欲しいですね。
Apple Parkの構想は、スティーブ・ジョブズCEO(当時)と主任デザイナー(当時)のジョナサン・アイブ氏が固め、その後建設が進んでいきました。
残念ながらジョブズ氏はApple Parkの完成を見ることなく他界してしまいましたが、世界を牽引する企業らしい建造物を残せたことを誇りに思っているでしょう。
Apple Parkは、従来の高層建築物の代替として、未来的かつ持続可能な建物のモデルと考えられます。
まとめ
超高層ビルの未来は、新素材やシステムを取り入れながら従来通り縦に伸ばしていくという選択肢と、低層で自然に寄り添う選択肢に分かれると思います。
この分け方は大雑把ですが、これから新規で超高層ビルを建造する場合、AIが指摘する問題点を克服できないものは、一定のリスクを抱えたままになるでしょう。
とは言え、低層の建造物にも津波発生時に垂直避難できないという弱点があるので、建造予定エリアに最もフィットする設計を考えていくのが望ましいのかもしれません。
地域の特色、地形、気象条件、自然災害のリスクに基づいた高層ビルや低層建築の選択は、持続可能で安全な都市環境のために非常に重要です。
前編と後編に分けてお届けした「超高層ビルの未来」、いかがだったでしょうか。これから私達の周りで建てられていく建設物の将来を、一緒に見届けていきましょう。
最後までお読み頂き、ありがとうございました!
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